Pharmaceutical

PIC/Sデータインテグリティガイダンス発効(その4)

一般的なデータの整合性の原則と有効化 医薬品品質システム(PQS)は、APIと医薬品のライフサイクルのさまざまな段階を通じて実施されるべきであり、科学とリスクベースのアプローチの使用を奨励すべきである。査察官が、意思決定に十分な情報が提供され、情報が信頼できるものであることを確認するためには、それらの決定を通知したイベントまたはアクションを十分に文書化する必要がある。したがってGood Document Practices(GDocPs)は、データインテグリティを保証するためのであり、うまく設計された医薬品品質システムの基本的な部分である。GDocPの適用は、データを記録するために使用される媒体(すなわち紙記録と電子的記録)によって異なる場合があるが、原理は両方に適用可能である。  GDocPのいくつかの主要概念は、ALCOAの原則(Attributable、Legible、Contemporaneous、Original、Accurate)で要約されている。さらにComplete、Consistent、Enduring、Available(ALCOA+)という属性を追加することもある。これらの期待はともに、事象が適切に文書化され、そのデータが情報に基づいた意思決定を支援するために使用されることを確実にする。 ALCOAおよびALCOA+は、紙媒体と電子記録の両方に適用可能な基本的なデータ保全原則である。 ALCOA 電子データが紙の記録と同じ以下の属性を持つ状態のこと。A – データ生成者に帰することができること(Attributable)L – 読みやすく恒久的であること (Legible)C – 同時的であること(Contemporaneous)O – オリジナルの記録(または真正なコピー)であること(Original)A – 正確であること(Accurate) ALCOA+

One Point, Pharmaceutical, Validation, Validation

バリデーション責任者の責任について

2021年4月28日 厚生労働省は「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部を改正する省令」(令和3年厚生労働省令第90号、以下「改正GMP省令」という。)を公布した。改正GMP省令は、2021年8月1日から施行された。また、厚生労働省は2021年4月28日付で改正GMP省令の逐条解説を記載した通知「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について」(厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長、以下「施行通知」という。)を発出した。 バリデーション責任者 改正GMP省令の第13条 バリデーションには、下記の要求事項がある。 製造業者等は、あらかじめ指定した者に、手順書等に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。一 次に掲げる場合においてバリデーションを行うこと。 イ 当該製造所において新たに医薬品の製造を開始する場合 ロ 製造手順等について製品品質に大きな影響を及ぼす変更がある場合 ハ その他製品の製造管理及び品質管理を適切に行うために必要と認められる場合 二 バリデーションの計画及び結果を、品質保証に係る業務を担当する組織に対して文書により報告すること。 2 製造業者等は、前項第1号のバリデーションの結果に基づき、製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合においては、所要の措置をとるとともに、当該措置の記録を作成し、これを保管しなければならない。 ここにおいて「あらかじめ指定した者」とはバリデーション責任者のことを指す。バリデーション責任者の要件については、施行通知の第3 逐条解説(以下、「逐条解説」という。)において下記の解説が掲載されている。 第13条(バリデーション)関係(1)医薬品の製造業者等があらかじめ指定した者に行わせるバリデーションに係る業務について規定するものであること。あらかじめ指定した者については、バリデーションの対象となる構造設備、手順、工程等に関して熟知している職員を当該バリデーションの責任者としてあらかじめ指定し、その職責及び権限を含め、GMP省令第6条第4項の規定による文書に適切に定めておくことが求められる。 一方において、バリデーション責任者の責任については、改正GMP省令や逐条解説には記載がなく、施行通知の第4 バリデーション指針(以下、「バリデーション指針」という。)に以下の通り記載されている。 施行通知第4 バリデーション指針(4)バリデーションの責任者の業務バリデーションの責任者の行う業務には、次に掲げる業務のうち該当するものを含むものであること。 バリデーション指針において、バリデーション責任者は「管理監督」責任を持つことになっている。つまり、バリデーション報告書の作成や承認の責任までは要求されていない。さらに、改正GMP省令や施行通知には、バリデーション責任者は1人しか置いてはならないという定めはない。バリデーションの責任者は、品目毎や工程毎に当該業務や構造設備に関して熟知した者が就くことが望ましいと考える。 品質保証部門の責任について また品質保証部門のバリデーションにおける責任については、改正GMP省令や逐条解説には記載がなく、上記バリデーション指針の(4)5.のみである。つまり、バリデーション報告書を文書により受け取ることになっているのみであって、バリデーション報告書の承認者である必要までは要求されていない。 改正GMP省令においては、バリデーション報告書の承認者の定めはなく、各品目・各工程に割り当てられたバリデーション責任者が承認しても良く、また品質保証部門が承認しても構わないと考えられる。 関連商品 ]]>

FDA, Pharmaceutical

リモート査察について

リモート査察について 2021年09月27日付のPTJにPMDAによる遠隔調査に関する記事が掲載された。本記事のポイントは以下の通りだ。 また、PMDAでは遠隔調査は3つのパターンが想定されており、それぞれ、 とのことである。 FDAによるリモート査察に関するガイダンス 2021年4月13日、FDAのCDER(Center for Drug Evaluation and Research)はCBER(Center for Biologics Evaluation)およびCVM(Research Center for Veterinary Medicine)の協力を得て、「Remote Interactive Evaluations of

Pharmaceutical, 滅菌(無菌操作法)

無菌試験の限界

滅菌バリデーションの考え方の誕生 滅菌バリデーションの考え方は、1970年代に米国で発生した大容量注射剤に起因する薬害死亡事故が契機となっている。問題の注射剤は製造工程で滅菌処理され、出荷試験時には無菌試験に適合していた。メーカーは試験適合を確認して出荷したが、この製品を投与された患者が死亡する事故が相次いで発生した。事故の原因は、菌で汚染されていた水を冷却水として使用したため、加熱滅菌処理したバイアルの内部は減圧状態となり、汚染された水がバイアルとゴム栓の隙間を通って内容液を汚染させた。出荷試験は、無菌試験の抜き取り試験であり、全数を対象として実施していなく、汚染されたバイアルの存在を検出できなかったのである。この事故から米国FDAは、最終製品の品質に注目するだけではなく、製造工程でも品質が確保されていることを保証する必要性に気づき、滅菌バリデーションの概念を法規に取り入れることとした。 無菌とは 滅菌は無菌性を達成するためのプロセス、すなわち、すべての微生物を殺滅または除去するプロセスである。無菌とは、すべての微生物が存在しないことをいう。微生物の死滅特性は指数関数で表される。従って生育微生物の存在は、確率で表され、この確率が非常に低い数値に減少したとしても0にはならない。そこで、滅菌は確率的な概念として運用される。あらかじめ無菌性保証水準(sterility assurance level:SAL)を設定し、単位あたりの被滅菌物に生存する微生物の数と種類(バイオバーデン)およびそのD値(致死速度:Decimal Reduction Time)からSALの達成される滅菌条件を計算して実施する。 滅菌の概念 現在ではSALとして10-6(100万分の1)が国際的に採用されており、日本薬局方においても同じ概念が「最終滅菌法」として採用されている。これは、滅菌操作後、被滅菌物に微生物の生存する確率が100万分の1であることを意味する。 無菌性保証の考え方 一般に、微生物は指数関数的に減少する。確率論的に、微生物の存在が「ゼロ」となることはない。そこで、「無菌性保証レベル(SAL 10-n)」を設定し、確率的な概念を導入した。原則として「無菌性保証レベル(SAL)10-6」を「滅菌」と定めた。「無菌性保証レベル(SAL)10-6」とは、滅菌した製品中に微生物が生き残る確率が100万分の1以下であることを表している。 無菌性の保証とは、目的とする製品を製造するため、滅菌プロセスが、具体的かつ検証可能な原則10-6以下の無菌性保証水準を達成すること。しかしながら、無菌試験ではSAL10-2までしか保証できない。無菌試験で滅菌の定義であるSAL10-6を保証しようとすると、100万個の製品に対して無菌試験を実施する必要がある。第18改正日本薬局方は、無菌試験について以下のように記載している。 無菌試験法は、無菌であることが求められている原薬または製剤に適用される。本試験に適合する結果が得られても、それは単に本試験条件下で調べた検体中に汚染微生物が検出されなかったことを示しているだけである。 すなわち「無菌試験に合格すること=無菌であることの証明」ではないことを示している。 FDAワーニングレター 2016年に日本のある無菌製剤を製造している企業において FDA査察 が実施された。その際に滅菌バリデーション等の不備を指摘され、FDA

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