ER/ES実践講座(第11回) 製薬協EDC自主ガイダンスの考察(その2)
ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 製薬協EDC自主ガイダンスの考察(その2) 1. はじめに 今回も前回に引き続き「臨床試験データの電子的取得に関するガイダンス」(以下、ガイダンス)の内容を考察してみたい。ガイダンスでは、内容の多くを真正性の要件に費やしている。真正性を確保するためには、セキュリティにより改ざんが防止できることと、監査証跡により改ざんが発見できることが必要である。加えて災害時やシステムの移行時などに、データを復旧させたり、移行する際に電磁的記録の真正性を確保することも求められる。この場合、症例データのみならず、監査証跡や電子署名の情報も完全かつ正確に復旧または移行できなければならない。これら復旧作業や移行作業は、多くの場合、監査証跡を記録することができない。したがって手作業によりそれら作業を行う場合には、あらかじめ定められた手順に従って実施することが必要である。電子署名は、現在のところ多くのEDCシステムではユーザIDとパスワードの組み合せによる方式であり、デジタル署名のように認証局の電子証明書を伴うものではない。欧米では、デジタル署名の標準化が進んできており、早晩EDCシステムにも利用されるようになるものと思われる。 2. 電子署名に関する要件 4. 臨床試験データを電子的に取得するための要件4.1. 実施医療機関で入力されるデータについての要件4.1.1. 電磁的記録の真正性に関する要件1)電子署名を利用する場合は、ERESガイドライン「4.電子署名利用のための要件」に沿って適切に運用されている(注:ERESガイドライン及びその案のパブリックコメント回答において、個々の電子署名は暗号化を必要としないこと、また記名捺印又は手書き署名も含む「ハイブリッドシステム」を拒絶するものではない、としている。EDCシステムにおいてもこれは適応できるものである。)。 これまでも本シリーズで何度か解説してきたが、ERESガイドラインでは、電子署名法に基づき電子署名の管理・運用に係る手順を文書化し、適切に実施することとしている。電子署名法の要件を満たす電子署名は、デジタル署名である。21 CFR Part 11(以下、Part11)においても、EDCに代表されるようなオープンシステムの利用時においては、デジタル署名などの技術を使用することとなっている。しかしながらグローバルにおいても、現状のEDC運用においては、デジタル署名はほとんど使用されていない。欧米においては、米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)の後援による、世界的な電子署名プロジェクトであるSAFE(Secure Access For Everyone)が実用化されつつある。SAFEの認証局運用基準は、Part11のデジタル署名の要件をクリアするように定められている。現時点では、製薬企業と治験を行う医療機関やCROとの間のB to […]
