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Part11の改定の見通しについて(2008年5月執筆)

ウェブセミナー FDA関連 FDAについて研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 Part11の改定の見通しについて 2008年4月7、8日にデンマークのコペンハーゲンで開催されたISPE主催のGAMP5発表セミナーでSion Wyn氏がPart11の改定の見通しについて講演した。Sion Wyn氏は、Conformity社のDirectorであり、GAMP5のEditorである。現在FDAにPart11の改定のメンバーとしてアサインされており、Scope & Applicationの作成メンバーの一人でもある。講演要旨は以下の通りである。 われわれは現在でも発行したオリジナルの計画とパブリックコメントによって改定されたルールに沿って進めつつあるが、とりわけタスクチームの心配事と言えば、コメントをフォローすること、改定したガイダンスに従って改定したPart11規則を発表すること、さらにより改定したガイダンスを発行すること、そして明らかに新しいプリアンブル(前文)を完成させることである。したがってまだ計画段階であるが、それがタスクチームとして達成すべきことである。それがいつになるかという質問は答えにくい。タスクチームにしてみれば、改定した規則の内容に満足しているが、いまだに当局における内部レビュプロセス中である。FDAによって精査されるまではパブリックコメント募集のための発表ができないことになっている。それはたいへん進行が遅く見えるが、それは特に最高評議会事務局での法的審査をうけなければならないからである。それがまさに長い時間を要する理由である。 お伝えできることは、いまだ規則を改定し発表することに注力しているが、正直いつとはいえないということである。もちろん今年中であると願っている。それまでの間に何をするか、という問題には妥当かつ正当な答えがあると考えられる。「Part 11 Scope and Application」のファイナルガイダンスは、2003年に出されたものの、昨今の電子記録と署名においての当局の位置づけを色濃く反映しており、いまだに極めて今日的な意味を帯びている。したがってそのガイダンスを読めば、現行の規制では、ヨーロッパ勢が大変強い立場にあると推測される。そしてまたGAMPのような業界ガイダンスによる電子的記録と署名に関する実践規範(good practice)を見ると、今日FDAが基本と考える患者の安全に関する完全性(Integrity)の適切なリスク管理を顕著に反映している。常に「製品とプロセスの理解」に立ち戻ることが必要である。一旦「製品とプロセスの理解」を得られれば、プロセス中の当該記録の役割とデータの完全性のインパクトが理解でき、それらの記録に対するリスクを抽出し、適切な管理を選択することが出来る。それゆえ私は、どんな管理を常時適用するかまたは特定の環境においてのみ適用するかをはっきりと述べた規制要件(regulations)よりも、経営者たちそして明らかにサプライヤーが業界のことを考え、特にリスク認識において、理解に基づく適切な管理を選択するような規制を待ち望んでいる。 もう一つ混乱をきたす可能性のあることについて言っておくと、皆さんの中には最近連邦広報(federal register)でFDA のPart11に関してのコメント募集を見たかもしれない。これは再検討プロセスの一部ではなく、私は定期レビュと考えたい。規制要件の経済的影響に関して、確実に規制の精査を要する要件がいくつかある。ある期間が過ぎた後に、規制要件の経済的影響を再考するということである。それは単に定期レビュだと考えられる。この事実はすなわちPart11が経済的影響を保証する時が来たということである。それで連邦広報でコメントを募集した。新しい規制要件や変更があるということではなく、興奮する必要はない。個人的には、改正された規制要件の発表の前に実施されるというのは、多少紛らわしいと考える。たとえ連邦広報でそれを見たとしても、興奮しないこと。それは新規制要件へのコメント要請とかそのたぐいのものではないのである。 ]]>

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保存性の課題

日本版ER/ES指針の3.1.3.電磁的記録の保存性の(2)には、以下のような要件が記載されています。(2) 保存された電磁的記録を他の電磁的記録媒体や方式に移行する場合には、移行された後の電磁的記録についても真正性、見読性及び保存性が確保されていること。Part11対応でも同じことですが、記録の長期保存は技術的に困難な点があります。以外と保存性の課題が知られていないので、解説を行いたいと思います。例えば、電子文書をMS-Wordで作成したとします。この場合、作成者・作成日等はMS-Word文書に記録されます。またはプロパティに入力しておきます。これらの情報はMS-Word文書をpdf化した際に継承されません。つまり方式の移行にともない、真正性が欠如してしまうのです。作成者・作成日以外にも、変更者・変更日・承認者・承認日なども同様です。例えばドキュメント管理システムなどのようなシステムの場合、これらの情報は当該電子文書とは別にリレーショナルデータベースに記録されています。この場合、電子文書を別のシステムに移行する際、どのようにこれらの情報を共に当該電子文書に付加させるかが問題となります。このことはシステムのリプレース時に必ず問題となります。せっかく当該システムがPart11や日本版ER/ES指針に対応していたとしても、システムをリプレースする際に真正性を確保できないことになってしまします。また地震や火災などの災害の際、システムを再構築した場合も同様の問題が起こります。万が一、電磁的記録を手作業によって復旧した場合、監査証跡等の情報が欠落してしまいます。したがってバックアップを用いてリカバリを行わなければなりません。そのためバックアップは真正性の要件になっています。保存期間中に起こり得るシステムの移行や災害時の復旧など、監査証跡を伴わない作業について規制当局はセンシティブです。これらの移行作業中に、データの改ざんやねつ造が行われたとしても監査証跡が残らないため、検証が行えなくなってしまいます。筆者は真正性、見読性、保存性の要件の中で、保存性が最も対応が困難と考えています。 ]]>

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ER/ES実践講座(第11回) 製薬協EDC自主ガイダンスの考察(その2)

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 製薬協EDC自主ガイダンスの考察(その2) 1. はじめに 今回も前回に引き続き「臨床試験データの電子的取得に関するガイダンス」(以下、ガイダンス)の内容を考察してみたい。ガイダンスでは、内容の多くを真正性の要件に費やしている。真正性を確保するためには、セキュリティにより改ざんが防止できることと、監査証跡により改ざんが発見できることが必要である。加えて災害時やシステムの移行時などに、データを復旧させたり、移行する際に電磁的記録の真正性を確保することも求められる。この場合、症例データのみならず、監査証跡や電子署名の情報も完全かつ正確に復旧または移行できなければならない。これら復旧作業や移行作業は、多くの場合、監査証跡を記録することができない。したがって手作業によりそれら作業を行う場合には、あらかじめ定められた手順に従って実施することが必要である。電子署名は、現在のところ多くのEDCシステムではユーザIDとパスワードの組み合せによる方式であり、デジタル署名のように認証局の電子証明書を伴うものではない。欧米では、デジタル署名の標準化が進んできており、早晩EDCシステムにも利用されるようになるものと思われる。 2. 電子署名に関する要件 4. 臨床試験データを電子的に取得するための要件4.1. 実施医療機関で入力されるデータについての要件4.1.1. 電磁的記録の真正性に関する要件1)電子署名を利用する場合は、ERESガイドライン「4.電子署名利用のための要件」に沿って適切に運用されている(注:ERESガイドライン及びその案のパブリックコメント回答において、個々の電子署名は暗号化を必要としないこと、また記名捺印又は手書き署名も含む「ハイブリッドシステム」を拒絶するものではない、としている。EDCシステムにおいてもこれは適応できるものである。)。 これまでも本シリーズで何度か解説してきたが、ERESガイドラインでは、電子署名法に基づき電子署名の管理・運用に係る手順を文書化し、適切に実施することとしている。電子署名法の要件を満たす電子署名は、デジタル署名である。21 CFR Part 11(以下、Part11)においても、EDCに代表されるようなオープンシステムの利用時においては、デジタル署名などの技術を使用することとなっている。しかしながらグローバルにおいても、現状のEDC運用においては、デジタル署名はほとんど使用されていない。欧米においては、米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)の後援による、世界的な電子署名プロジェクトであるSAFE(Secure Access For Everyone)が実用化されつつある。SAFEの認証局運用基準は、Part11のデジタル署名の要件をクリアするように定められている。現時点では、製薬企業と治験を行う医療機関やCROとの間のB to

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ER/ES実践講座(第10回) 製薬協EDC自主ガイダンスの考察(その1)

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 製薬協EDC自主ガイダンスの考察(その1) 1. はじめに 前号でも紹介したとおり、日本製薬工業協会 医薬品評価委員会は、2007年11月1日、臨床試験データを電子的に取得する場合の具体的な要件を示すことを目的に「臨床試験データの電子的取得に関するガイダンス」(以下、ガイダンス)と呼ばれる自主ガイダンスを発行した。症例報告書(以下、CRF)を電子化する場合、これまでの紙媒体のCRF(以下、紙CRF)と同等の品質および品質保証を確保する必要がある。EDCは治験の生データである症例データを電子的に取得するものであり、ERESガイドラインの適用を受ける。ガイダンスは、ERESガイドラインを具体的にEDCに適用させたものである。しかしながらガイダンスは、いくつかの用語が定義されないまま使用されていたり、本来の用語の意味と多少解釈の違う点が見られる。また真正性、見読性、保存性の区別が多少入り乱れている個所も見受けられる。本稿では、ガイダンスの内容を筆者なりに考察してみたい。 2. 電子症例報告書を原本とすることができる要件 ガイダンスの第4章は、「臨床試験データを電子的に取得するための要件」であり、「4.1. 実施医療機関で入力されるデータについての要件」と「4.2. 中央検査機関から電子的に入手するデータについての要件」に分かれている。 4. 臨床試験データを電子的に取得するための要件4.1. 実施医療機関で入力されるデータについての要件ERESガイドラインに従い、以下に述べる要件(4.1.1.~4.1.3.1.)を満たせば、EDCシステムを用いて治験責任医師、治験分担医師(以下「治験責任医師等」と言う)及び治験協力者が入力し(手入力及び記録媒体を介して実施医療機関内の一部の電子データを取り込む場合を含む)、EDC サーバー上に格納されたデータを電子症例報告書原本とすることができる。原本には、治験責任医師等の評価を含む入力データ、修正履歴、電子署名情報(電子署名を使用した場合)を含む。EDC サーバーからのデータ移管後は、移管するまでのデータが要件4.1.1~4.1.3.1 を満たし、かつ、「4.1.3.2. データ移管後の保存用症例報告書の保存性に関する要件」を満たせば、サーバー上のデータを他の媒体に保存したものを原本とみなすことができる。 このセクションを読む限り、本ガイダンスは、電子症例報告書(以下、eCRF)を原本とすることができる要件を記載していると読める。しかしながら、これまでのように紙CRFをEDCシステムを利用して作成する場合にも適用するべきであると考える。電子症例報告書原本は、ASPサービス利用中(つまり治験実施中)は、サーバー上のデータベースにあり、ASPサービス終了後(つまり治験終了後)にはCD-R等の電磁的記録媒体にpdf等のフォーマットで出力され管理される。(図1

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ER/ES実践講座(第9回) EDCシステム利用の考察

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 EDCシステム利用の考察 1. はじめに これまで製薬会社は、臨床試験において「紙」の症例報告書(以下、紙CRF)を用いて症例データを取得していたが、最近では電子的にデータを取得するElectronic Data Captureシステム(以下、EDC)が注目されるようになってきた。症例報告書を電子化できる根拠としては「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」(厚生労働省令第44号 平成17年3月25日)があげられる。日本においては、EDCはその利用が始まったばかりである。製薬企業にとっても、規制当局にとっても経験の蓄積がない。日本国内でのEDCに関する体制・制度が十分に整備されていない現状において、EDCを推進することは、製薬企業および規制当局にとって大きなリスクがあるといえる。規制当局は、紙CRFを廃止し、電子CRFを原本にした場合、EDCを利用した試験成績が受入れ可能か不明であると述べている。しかしながら、グローバルではEDCの利用が一般的となり、日本が組み込まれたグローバル治験においてもEDCを利用する機会が増大している。日本だけがEDC利用を躊躇しているわけにはいかない。製薬企業は、EDCの安易な運用により今後のEDC推進に悪影響を及ぼさないように、慎重に経験を積んで進めていかなければならない。 2. EDCとは 2.1 RDEとEDC EDCは、Electronic Data Captureの略であり、本来はソースデータを直接電子的に取得する仕組みを指している。つまり医療機関の電子カルテシステム等のコンピュータシステムや電子機器と直接つないで、症例データや検査値等を直接取り込むといったものである。しかしながら現在の臨床試験では、ほとんどが症例データを手入力しているのが現状である。この形態は正確にはRemote Data Entry(RDE)と呼ばれる。(図1 参照) 図1 Remote

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ER/ES実践講座(第8回) リスクベースアプローチの考察

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 リスクベースアプローチの考察 1. はじめに 21 CFR Part 11(以下、Part11)は発効から10年が過ぎたが、その間に様々な問題点が浮き上がってきた。そのひとつに電子記録の範囲が不明確で、あらゆる電子的な記録はPart11の対象となってしまい、対応範囲が際限なく広がってしまうという問題があった。FDAは、2003年9月に「Guidance for Industry – Part 11, Electronic Records; Electronic Signatures – Scope

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ER/ES実践講座(第7回) ERESガイドライン対応のための課題と問題点(その2)

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 ERESガイドライン対応のための課題と問題点(その2) 1. はじめに 前回に引き続き、ERESガイドライン対応のための課題と問題点を整理してみたい。ERESガイドラインは、言うまでもなく日本国内における指針である。しかしながらグローバル化が進む製薬業界において、ERESガイドラインを遵守するのみではすまされない。グローバルな企業にとって、ERESガイドラインとPart11などの諸外国の規制要件が整合しない場合、いわゆるダブルスタンダードの問題がおきる。今回はPart11や、その他関連ガイダンスも引用し、検討を行ってみたい。 2. コンピュータ・システム・バリデーション ERESガイドラインを遵守する前提として、コンピュータ・システム・バリデーション(以下、CSV)を実施しなければならない。(図1参照) 3.1. 電磁的記録の管理方法電磁的記録利用システムとそのシステムの運用方法により、次に掲げる事項が確立されていること。この場合、電磁的記録利用システムはコンピュータ・システム・バリデーションによりシステムの信頼性が確保されている事を前提とする。 図1 コンピュータ・システム・バリデーション しかしながら厚生労働省では、拠り所とするべき具体的なCSVに関する指針などの規制要件を発行していない。当局から指針等が出されない場合、製薬各社がCSVに関するSOP等を作成したとしても、それらの「適合性の確認」が行えない。これは品質保証活動(以下、QA)上の大きな問題である。「適合性の確認」は、規制要件と自社のSOPを照し合せて、それらに差異がないことを確認する。この適合性をもったSOPによって、品質管理システム(Quality Management System:QMS)が成り立つのである。ちなみにFDAでは、2003年9月に発行した「Part 11, Electronic Records; Electronic Signatures

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ER/ES実践講座(第6回) ERESガイドライン対応のための課題と問題点(その1)

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 ERESガイドライン対応のための課題と問題点(その1) 1. はじめに ERESガイドラインは、その趣旨を良く理解して実践することが大切である。しかしながら21 CFR Part 11(以下、Part11)でも同様のことが言えたが、ERESガイドラインは難解であり、各社が標準業務手順書(SOP)を作成する際には大変苦慮しているものと思われる。今回はERESガイドライン対応のための課題と問題点を考察してみたい。それにより、各社がSOPを作成・改定する際の一助になれば光栄である。今回は再度通知文および指針を読みながら、問題点と課題の指摘を行いたい。ただし本稿に述べた事柄はあくまでも筆者の見解であり、別の解釈がある場合も考えられることをお断りしておく。 2. 指針案からの変更点に関する問題点 「医薬品等の承認又は許可に係る申請に関する電磁的記録・電子署名利用のための指針(案)」は、平成15年6月4日に厚生労働省医薬局審査管理課から発表された。この際には平成14年9月に米国ワシントンにて開催されたICH運営委員会において、eCTDがステップ4の3極合意に達したことをふまえ、医薬品等の承認又は許可に係る申請に関する記録等において電磁的記録及び電子署名を利用するための指針(案)を作成したとある。(図1 参照) 平成15年6月4日厚生労働省医薬局審査管理課平成14年9月に米国ワシントンにて開催された日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)運営委員会において、電子化コモン・テクニカル・ドキュメント(eCTD)がステップ4の3極合意に達したことをふまえ、今般、医薬品等の承認又は許可に係る申請に関する記録等において電磁的記録及び電子署名を利用するための指針(案)(別添)を作成いたしました。つきましては、本案に関してご意見のある方は、下記により提出して下さい。なお、提出していただいたご意見に対する個別の回答はいたしかねますので、その旨ご了承願います。 図1 「医薬品等の承認又は許可に係る申請に関する電磁的記録・電子署名利用のための指針(案)」に関する意見・情報の募集について(抜粋) つまりERESガイドラインは、もともとeCTDを実施する際の要件であったことがうかがえる。パブリックコメントを電子メールによって提出する際のアドレスがectdshishin@mhlw.go.jpであったことからも推察できる。しかしながらERESガイドラインは、最終的に厚生労働省医薬食品局長通知として出され、その適用範囲はeCTDにとどまらず、また医薬品メーカのみならず、医療機器メーカや化粧品メーカにも及ぶこととなった。つまりその適用範囲は薬事法の範囲と同等である。 指針案の段階では、タイトルが「医薬品等の承認又は許可に係る申請に関する電磁的記録・電子署名利用のための指針(案)」であったのに対して、最終的には「医薬品等の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について」となった。指針案の段階では、医薬品等という用語が定義なしに使用されており、その医療機器や化粧品も含まれるという理解は困難であった。また申請等とは、医薬品等の承認又は許可等並びに適合性認証機関の登録等に係る申請、届出又は報告等のことである。つまりeCTDによる新薬申請に加えて、届出や報告等も含まれることとなった。筆者が疑問に感じることは、厚生労働省医薬局審査管理課が募集した指針案へのコメントに対して、医薬品メーカにおいて研究開発部門以外の部門が指針案を吟味し、コメントする機会があったかどうかである。また医療機器メーカや化粧品メーカが指針案を吟味し、コメントする機会があったかも同様である。 3. パブリックコメントの回答に関する問題点

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ER/ES実践講座(第5回) ERESガイドラインの考察 (その3)

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 ERESガイドラインの考察 (その3) 1. はじめに FDAによる21 CFR Part 11(以下、Part11)とERESガイドラインは、基本的には電子記録と電子署名の信頼性を確保するという観点では方向性が一致している。しかしながらPart11とERESガイドラインでは、類似点も多いが、用語の定義など根本的な違いがみられる。クローズド・システムとオープン・システムの定義などは、Part11とERESガイドラインで同じである。ところが電子署名に関する定義は異なる。このことはEDCシステムによって症例報告書を電子化(すなわちペーパーレス化)する際などに問題が出る可能性がある。電子署名の技術の一つであるデジタル署名は、まだ国際的な標準やデファクトスタンダードがない。ERESガイドラインが発出されて3年が過ぎたが、完全なペーパーレス化にはまだ課題が残っているといえる。 2. 電磁的記録利用のための要件 2.1 クローズド・システムの利用 3.2. クローズド・システムの利用電磁的記録を作成、変更、維持、保管、取出または配信をするためにクローズド・システムを利用する場合は、3.1に記載された要件を満たしていること。また、電子署名を使用する場合には、4.に記載された要件を満たしていること。 電磁的記録を作成したシステム内で当該電磁的記録を維持管理する場合をいう。その場合、セキュリティと監査証跡機能により、電磁的記録の真正性を確保することができる。つまり本人性の証明と非改ざん証明が可能である。ここでいう取出とは、電磁的記録媒体に保存していた電磁的記録を検索・抽出し、当該システムのディスプレイ上に表示または印刷することをいう。ちなみにPart11ではRetrieveという用語を用いている。 2.2 オープン・システムの利用 3.3.

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ER/ES実践講座(第4回) ERESガイドラインの考察 (その2)

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 ERESガイドラインの考察 (その2) 1. はじめに 電磁的記録による資料および原資料の保存には様々な方法がある。電磁的記録の真正性、見読性、保存性を確保するためには、各システムにおける当該電磁的記録の取り扱われ方に注意を払う必要がある。ERESガイドラインを遵守するための手順書は、部門で1つのものではなく、各システム固有の特性に合わせたものでなければならないのである。 2. 電磁的記録による作成の2つの方法 第2回で紹介したとおり、厚生労働省令第44号の第6条(電磁的記録による作成)によると、電磁的記録による作成の方法には2通りある。「ファイルに記録する方法」と「磁気ディスク等をもって調製する方法」である。筆者は前者を「eCTDモデル」と呼び、後者を「EDCモデル」と呼ぶことにする。ERESガイドラインに対応するためには、この2つのモデルの違いをよく理解しておくことが必要である。「eCTDモデル」はワープロなどで作成した治験実施計画書、総括報告書、申請資料などのファイル(書面)を磁気ディスク等に保存しておくことになる。「EDCモデル」は、通常は書面の形式ではなく、ビジット単位の症例データをリレーショナルデータベースに経時的に保存することになる。必要に応じてデータベースから適切な記録を抽出し、書面を印刷またはディスプレイに表示することになる。 3. 電磁的記録利用のための要件 3.1 バリデーション 3.1. 電磁的記録の管理方法電磁的記録利用システムとそのシステムの運用方法により、次に掲げる事項が確立されていること。この場合、電磁的記録利用システムはコンピュータ・システム・バリデーションによりシステムの信頼性が確保されている事を前提とする。 電磁的記録利用システムという表記があるが、電磁的記録は必ずしもコンピュータシステムで扱われるとは限らないからであろう。例えば資料や原資料を光ディスクなどの媒体に保存してある場合、それら記録をディスプレイに映すような装置も含まれる。「電磁的記録利用システムとそのシステムの運用方法」と記載されているのは、前者が機能要件、後者が運用要件を指している。ERESガイドラインを遵守し、その目的を達成するためには、システムに対する機能要件とそのシステムを運用するための要件の2つの側面から対応が求められているのである。ちなみにPart11では、procedures and controlsと表記されている。また当該システムはコンピュータ・システム・バリデーション(以下、CSV)により信頼性を確保しなければならない。CSVは、欧米での規制要件では多くの場合、Computerized System

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