ICH Q10 医薬品品質システムに関するガイドラインについて(平成22年2月19日、薬食審査発0219第1号、薬食監麻発0219第1号)
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<連載 全3回> EDCを利用した臨床試験における信頼性調査対応講座 (第3回) *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 EDC調査チェックリストの考察(その2) 1. はじめに 今回も引き続き、「EDC調査チェックリスト(案)」に関する考察を行いたい。また2010年2月4日、5日に開催されたDrug Information Association (DIA)主催による「第13回クリニカルデータマネジメント年会」において、医薬品医療機器総合機構(PMDA)信頼性保証部 調査役代理の山口 光峰氏が「EDCを利用した治験における信頼性調査」について講演を行った。その講演の要旨についても報告する。 2.医療機関用 本チェックリストの医療機関用は、以下の2つの章からなる。1)ユーザー管理について2)データの保存 「電子症例報告書の作成、修正及び署名について」という調査項目が、治験依頼者用にあるが、本来は医療機関側になければならない。なぜならば電子症例報告書の作成、修正や署名は医療機関側が実施するためである。日本におけるGCP実地調査では、本来医療機関に責があるものであっても、治験依頼者がその責を負うことが多い。そもそも日本におけるGCPの運用では、欧米とは異なり、医療機関に対する罰則等をもたない。これは、GCPを遵守できないなど、不適切な医療機関を治験に利用すると、治験依頼者が損をすることになり、必然的にそのような医療機関が淘汰されるという考え方に基づくものである。米国FDAなどは、治験責任医師等がプロトコール違反を犯した場合などに、ブラックリストに掲載するなど、一定のペナルティがある。日本における、医療機関や治験責任医師等に対するペナルティの議論は、1996年にICH GCPが検討された時点から全く行われていない。 2.1 ユーザー管理について 医療機関用の1章は、ユーザ管理についての調査である。(図1参照)
<連載 全3回> EDCを利用した臨床試験における信頼性調査対応講座 (第2回) *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 EDC調査チェックリストの考察 1. はじめに 前回でも紹介したとおり、2009年10月19日に開催された「平成21年度GCP研修会」では、演題の一つとして「電子的に収集された臨床試験データに対する信頼性調査の留意点」と題した発表が行われた。本発表において「EDC調査チェックリスト」の案が紹介され、信頼性調査の内容と事例に基づく留意点の説明があった。今回と次回は、「EDC調査チェックリスト(案)」に関する考察を行ってみたい。 2.EDC調査チェックリスト 医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)によると、平成20年度以降、10社以上(20申請品目以上)でEDCを利用した試験を含む申請品目の適合性調査を実施したとのことである。PMDAでは、平成 21年3月に、EDCデータに対する調査すべき事項を「EDC調査チェックリスト(案)」としてまとめた。その後、平成21年5月から8月にかけて、「EDC調査チェックリスト(案)」を用いてパイロット調査を行ってきたという。本チェックリストは、案のままではあるが、PMDAのホームページで公開されている。http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/outline/shinrai/checklist.html本チェックリストは、Wordが治験依頼者用、pdfが医療機関用となっている。また本チェックリストは、本来の調査項目に加えて、EDCを使用した場合に追加となる差分の項目のみが記載されている。本チェックリストは、今後も改訂が繰り返されるものと思われるため、治験依頼者は常にPMDAのホームページをチェックし、最新のチェックリストを参照するよう心がけなければならない。 3. 治験依頼者用 本チェックリストの治験依頼者用は、以下の6つの章からなる。1) システムの概要について2) EDCシステム運用に関する治験依頼者の組織・体制・委託状況等3) バリデーションについて4) ユーザー管理について5) データの保存6) 電子症例報告書の作成、修正及び署名について 3.1システムの概要について チェックリストの冒頭は、システムの概要に関する調査である。(図1参照) 1 システムの概要について 使用システムの概要 □自社開発 □市販パッケージ□市販パッケージ+カスタマイゼーション □WEB型 □クライアントサーバ型 □その他( )
<連載 全3回> EDCを利用した臨床試験における信頼性調査対応講座 (第1回) *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 CSV規制要件等の改定 1. はじめに 2009年10月19日に開催された「平成21年度GCP研修会」では、演題の一つとして「電子的に収集された臨床試験データに対する信頼性調査の留意点」と題した発表が行われた。本発表において「EDC調査チェックリスト」の案が紹介され、信頼性調査の内容と事例に基づく留意点の説明があった。本チェックリストは、既に医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)のホームページで公開されている。ER/ES指針が、平成17年に発出されてから4年半が経ったが、いよいよ本格的なER/ES指針に基づいた査察が開始されたことになる。本シリーズでは、3回にわたって、EDCを利用した臨床試験の信頼性調査について、その内容、課題、問題点、対応方法等を考察したい。今回は、「電子的に収集された臨床試験データに対する信頼性調査の留意点」に関する講演内容の要約を行った。 2.平成21年度GCP研修会 平成21年度GCP研修会は、10月19日に東京、10月23日に大阪で開催された。そのアジェンダは、図1に示すとおりである。 時 間 内 容 13:00~13:10 挨拶(東京)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 理事(技監) 川原 章(大阪)独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 理事長 近藤 達也 13:10~13:40 治験の計画等の届出、治験中の副作用・不具合報告及びIRB登録制度について(東京)PMDA審査マネジメント部 星 順子(大阪)PMDA審査マネジメント部 北原 淳 13:40~14:00 医療機器GCPの改正及び医療機器の基準適合性調査について(東京)信頼性保証部主任専門員 疋田 理津子(大阪)信頼性保証部調査専門員 福岡 由紀
EDCについて研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 2008年10月20日に(財)日本薬剤師研修センター主催で開催された「平成20年度 GCP研修会」で、医薬品医療機器総合機構(以下、機構)信頼性保証部からEDCに関する信頼性調査(書面調査)の概要が発表された。ER/ES指針が発出されて3年半が経つが、いよいよ本格的なER/ES査察が開始されることになる。発表された信頼性調査チェックリストは、まだ改定と公式な発表が必要であると思われる。しかしながら、準備は早急にしておかなければならない。なぜならば、現在実施中の治験における電子記録は、間違いなく書面調査の対象となるからである。これまで書面調査は、機構に原本を搬入して行われていた。しかしながら、EDCシステムのように原本が電子の場合、機構会議室では確認ができない事例が発生している。このため、原本を確認するために、必要に応じて、依頼者側に訪問(訪問型書面調査)の上実施されることになる。しかしながら現行のEDCシステムの一般的な運用方法と、規制当局の認識には、多少のずれがあるように思われる。 これまで製薬会社は、臨床試験において「紙」の症例報告書(以下、紙CRF)を用いて症例データを取得していましたが、最近では電子的にデータを取得するElectronic Data Captureシステム(以下、EDC)が注目されるようになってきました。症例報告書を電子化できる根拠としては「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」(厚生労働省令第44号 平成17年3月25日)があげられます。日本においては、EDCはその利用が始まったばかりでです。製薬企業にとっても、規制当局にとっても経験の蓄積がありません。日本国内でのEDCに関する体制・制度が十分に整備されていない現状において、EDCを推進することは、製薬企業および規制当局にとって大きなリスクがあるといえます。規制当局は、紙CRFを廃止し、電子CRFを原本にした場合、EDCを利用した試験成績が受入れ可能か不明であると述べています。しかしながら、グローバルではEDCの利用が一般的となり、日本が組み込まれたグローバル治験においてもEDCを利用する機会が増大しています。日本だけがEDC利用を躊躇しているわけにはいかない状況です。製薬企業は、EDCの安易な運用により今後のEDC推進に悪影響を及ぼさないように、慎重に経験を積んで進めていかなければなりません。 【第1話】EDCとは【第2話】EDCのメリット【第3話】EDCのリスク【第4話】電子化におけるリスク【第5話】規制当局の懸念とは【第6話】EDCの導入、運用フロー概要【第7話】ベンダーオーディットをしよう【第8話】こんなベンダーは使ってはいけない【第9話】こんなEDCは使ってはいけない【第10話】こんなCROは使ってはいけない【第11話】プロトコールを作成しよう[準備中]【第12話】データマネージメント計画書を作成しよう[準備中]【第13話】契約書を作成しよう[準備中]【第14話】手順書を作成しよう【第15話】UQSを実施しよう[準備中]【第16話】CSVを実施しよう[準備中]【第17話】関連法令【第18話】臨床試験データの電子的取得に関するガイダンスとは【第19話】査察対応 【番外編】FDAのガイダンス EMEAのガイダンス ]]>
EDC管理シートについて研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 EDCに関する適合性調査の見直しとEDC管理シート 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)は、平成25年3月27日に「EDCを利用した治験、製造販売後臨床試験及び使用成績調査に係る適合性調査等の実施手続きについて」と題する通知を発出した。本通知はPMDAが、EDC(Electronic Data Capture)を利用した治験、製造販売後臨床試験及び使用成績調査(以下、治験等)に関する適合性調査を効果的かつ効率的に実施するため、調査事前提出資料として製薬企業等にEDCを利用した業務がどのように行われているかをまとめたEDC管理シートの作成、提出を求めるものである。2009年10月から、PMDA信頼性保証部では、EDCを利用した治験等の資料を確認する際、「EDC調査チェックリスト(案)治験依頼者用」及び「EDC調査チェックリスト(案)医療機関用」を使用し、医薬品の承認申請資料に係る適合性書面調査及びGCP実地調査並びに医薬品の再審査及び再評価申請資料の適合性書面調査及びGPSP実地調査(以下「適合性調査」という。)を実施してきた。本邦における適合性書面調査は、申請品目毎に実施されることになっている。したがって、これまでは過去に申請した品目で使用していたEDCシステムを、別の申請品目で使用した場合、再度調査を受けなければならなかった。EDC管理シートは、これまでの重複した調査を省略するために考案されている。 EDC管理シートとは EDC管理シートは、EDCを利用した業務のプロセスを効果的かつ効率的に確認することを目的として、「EDC調査チェックリスト(案)治験依頼者用」を見直したものである。これにより、「EDC調査チェックリスト(案)治験依頼者用」は廃止となった。ここで注意が必要なのは、EDC管理シートは、事前提出資料であって、調査当日のチェックリストではない。したがって、従前から使用されてきた「EDC調査チェックリスト(案)治験依頼者用」を置き換えたものではない。EDC管理シートは、原則として平成25年10月1日以降に実施される適合性調査から、事前提出資料として提出が求められる。事前提出資料のため、PMDAの調査担当者は、EDC管理シートを事前に精査し、手順書や発生する記録等の把握を行うものと思われる。適合性書面調査当日は、EDC管理シートに基づき、作成されているはずの手順書、記録書や実施状況を調査することになる。EDC管理シートは、EDCを利用した治験等について、データ等の品質確保に関するプロセスの概要等を記載するものである。ちなみにPMDAによると、EDC管理シートは、適合性調査終了後やシステム、手順等の変更時等に、随時、更新・管理することにより、治験依頼者等の自己点検ツールとして活用することも可能であるとしている。 EDC管理シートの構成と記載方法 EDC管理シートは、運用手順シートと使用実績シートおよびそれらの改訂履歴から構成されている。運用手順シートは、当該EDCシステムについて説明し、使用実績シートは、実施した治験を時系列に説明する。 運用手順シート 治験等で利用したEDCシステムの概要、業務委託の状況(該当する場合)、手順書の名称及び版、手順の概略及び発生する書類、治験等の実施中に発生したシステムの不具合及び運用手順の不遵守、従前の適合性調査において指摘された事項及びその改善状況等を記載する。運用手順シートには、複数の治験等で同一の手順書が使用されている場合に記載する。治験毎で手順書が異なる場合は、運用手順シートにその旨を記載の上、手順書名等は、使用実績シートに記載する。 使用実績シート EDCシステムを利用して実施した各治験等における利用状況の概要、業務委託契約、手順書の名称及び版、手順の概略及び発生する書類等を記載する。運用手順シートに記載済みの情報(手順の概略、発生する書類等)は、使用実績シートには簡潔に記載すること。使用実績シートには、適合性調査の調査対象申請資料に含まれる治験等(海外で実施された治験等も含む)の情報のみではなく、当該シートを活用した初回適合性調査以降に開始された、当該EDCシステムにより実施中の治験等(国内における治験等及び日本を含む国際共同治験等)の情報も記載しなければならない。つまり、当該申請品目のみではないということである。未申請であっても、当該EDCシステムを使用し、現在実施中の他の治験等も記載しなければならないのである。ただし、EDC管理シートを初めて提出した適合性調査以降に開始された治験等のみで構わない。これには、国内における治験等及び日本を含む国際共同治験等を含むが、海外だけでの治験等は対象とならない。EDC管理シートは、当該シートを活用した初回適合性調査の調査対象申請資料に含まれる治験等から記載を開始すること。適合性調査時に繰り返し質問等される事項がある場合には、次回調査の際に提出するEDC管理シートに当該事項を追記することで、繰り返しの確認を避け、調査を効率的に受けることができる。したがって、2回目以降のEDC管理シートの提出の際には、前回提出したEDC管理シートの内容を削除せず、変更があった項目のみ追記すること。また、EDC管理シート作成にあたっては、過去の適合性調査における確認状況を明確にしておくこと。 EDC管理シートの適用範囲 EDC管理シートを用いた調査は、原則として、調査対象申請資料に含まれる治験等が以下の1)及び2)に該当する場合の、治験依頼者等に対する適合性調査に適用する。 治験等のデータ収集に際し、治験依頼者等が提供したEDCシステムが利用されている。 (例:治験依頼者等によって管理される症例報告書、患者日誌、製造販売後調査の調査票等の作成システム) 治験等のデータが、医療機関等から治験依頼者等(治験依頼者等から業務の委託を受けた者を含む。)に電磁的に提供されている。 なお、症例報告書等を紙媒体により保存する場合であっても、1)および2)に該当する場合には適用される。また、治験等のデータ収集に際し、医療機関が管理するシステムが利用され、且つ、2)に該当する場合であっても、必要に応じて、EDC管理シートを用いた適合性調査を実施する。医師主導治験の自ら治験を実施する者に対する適合性調査においては、原則としてEDC管理シートは使用しない。
ウェブセミナー Computerized System Validationについて研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 厚労省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン(案)」の考察 1. はじめに 厚生労働省は、2010年7月16日「医薬品・医薬部外品製造販売業者等におけるコン ピュータ化システム適正管理ガイドライン(案)」を発表し、パブリックコメントの募集を開始した。パブリックコメントは、8月20日まで受け付けている。また新ガイドライン(案)に加えて、考え方(Q&A集)も同時に掲載されている。このガイドラインは、「コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン」(平成4年2月21日薬監第11号:平成17年3月30日付薬食監麻発第0330001号により廃止)を置き換えるものである。旧ガイドラインは、欧米の規制要件に対して、比較的内容が具体的で理解しやすく、 実用的であった。しかしながら、IQ、OQ、PQといった検証(バリデーション)に関する記述がなく、 外国の規制当局の査察時等に苦慮するといった一面もあった。 今回は厚労省版「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン(案)」を考察してみたい。 2. 新ガイドラインの特徴 新ガイドライン(案)を一通り読んだ印象では、以下の特徴があるようだ。1) GMP、GQP 分野を対象としている。2) 旧ガイドラインとGAMP 5 を折衷したような内容であ
10/19(月)に開催された「平成21年度GCP研修会」に参加したので、「電子的に収集された臨床試験データに対する信頼性調査の留意点」に関する発表について、今回はそのフィードバックを行いたい。GCP研修会では、当該演題は30分間であったが内容の濃いものだと感じた。発表によると、平成20年度以降、10社以上(20申請品目以上)でEDCを利用した試験を含む申請品目の適合性調査が医薬品医療機器総合機構(PMDA)によって実施されてきたという。特に平成21年5月以降は、EDCデータに対する調査すべき事項をまとめた「EDC調査チェックリスト」が作成され、パイロット調査が実施されてきた。このチェックリストは、既にPMDAのHPで公開されている。本チェックリストは、Wordが治験依頼者用、pdfが医療機関用となっている。GCP研修会では、チェックリストの内容の紹介とともに、調査の内容と事例に基づく留意点の説明があった。チェックリストは、本来の調査項目に加えて、EDCを使用した場合に追加となる差分の項目のみが記載されていることの説明があった。監査証跡のバリデーションが追加されているのが特徴的である。また治験依頼者の要件を満たしていることを保証する文書の調査も加わった。さらに各種手順書に関して、当該治験に該当するものの作成日を調査することになっている。バリデーションに関しては、ASPを使用するケースを例とし、開発者、ASP、治験依頼者の関係を図で示し、このパターンが最も複雑になること、しかしながら最終責任は治験依頼者にあることの説明があった。バリデーションについての深い調査は行っていないが、要検討項目であることが付け加えられた。留意点として、【治験依頼者】・ユーザ管理において、システムがOKであっても、使う側が適切に運用しなければならないこと。・教育訓練を行っていても、ID、Passwordの発行時に、受け手(医療機関)が理解できていない事例が発生してい る。・データの保存に関する留意事項として、多くはpdfで作成されているが、治験責任医師の署名後に修正が発生した 場合、最終版が保存されていない事例があった。 これは第26条の適切な保存の要件に抵触するものである。・電子症例報告書の作成、修正および署名について、本来(紙ベースのCRFの場合)は医療機関が責任を持つべき であるが、EDCを利用する場合は、治験依頼者がそれらの環境を準備するため、治験依頼者側の調査を行って いる。 医療機関においては、紙ベースの調査と変わらないため、本項目の医療機関用チェックリストは作成していない。・電子症例報告書は、監査証跡を含めて完全といえる。・pdf化する際に特殊文字などによる文字化け、表示のズレ等が発生している事例がある。・EDCでは、権限設定により、エラーを防ぐことができることがある。 例えば、最終確認署名は治験責任医師のみが可能となるようにし、治験分担医師はダメとするなど。 あくまでも責任は医療機関側にあるが、色んなシステムがあり、覚えきれないので、(機能を工夫するなど) できることをやってもらいたい。【医療機関】・ID・パスワードが、医療機関毎にひとつ(共有)と勘違いしたケースがある。・資格のない者に入力を代行させている事例がある。これはEDCを利用しているかどうか以前の問題である。・利用権限が同等以上であるユーザであれば、代わりに入力してもかまわないといった勘違い事例があった。・医療機関が電子症例報告書(写)を受け取る際、治験依頼者が作成したものであるから大丈夫であろうとする 考え方は良くない。 悪意はなくとも人為的ミスはあり得る。電子症例報告書(写)を受領する際に、 内容を確認すること。・記録の保存責任はあくまでも医療機関にある。受領書にその旨記載されていると思う。受領書にサインしたこと によって内容に責任を持つことになる。以上が、講演資料の説明であった内容の要約である。皆様のご参考になれば光栄である。 ]]>
EDCを利用した治験では、従来の紙CRFによる治験に比べて、モニタリングの方法が大きく変化する。今回は、EDC利用治験で変わるモニタリングに関して考察してみたい。1.医療機関の利用環境調査の実施医療機関における利用PCに関して、事前に以下の調査を実施しておく必要がある。・当該EDCシステムで利用可能なクライアント(PC)であるか・OS、Internet Explorer等のバージョン、リビジョン・ウィルス駆除ソフトがインストールされているか・セキュリティを侵害するようなソフトウェア(WINNY、パスワード自動入力ツール等)がインストールされていないことの確認・インターネット環境が適切か・クライアント設置場所が適切か2.治験責任医師等への教育・訓練研究会等で、治験責任医師、治験分担医師等に十分な教育を実施しておかなければならない。教育を受講していない場合は、EDCを操作してはならない。特にセキュリティについての教育は重要である。EDCを利用した治験では、紙CRFのように筆跡が残らない。したがって、安易に権限のない者に自身のパスワードを教え、入力や修正、承認をさせるといった行為が起こりえる。いわゆる「なりすまし」という不正行為である。なりすましは、真正性を脅かす最大の不正行為である。さらに治験責任医師は電子署名に関する教育を受けなければならない。Part11や厚労省ER/ES指針が要求する通り、電子署名のもとに作成された電子記録は、事後否認(後に真正なものではないと主張すること)ができないことを周知しておかなければならない。なお、EDCの操作等に関する教育は、イーラーニングで代用することも可能である。3.施設訪問時の確認事項訪問の度にセキュリティ(特にパスワード)が守られていることを確認しなければならない。また都度、パスワードを他人に教えないことを周知しなければならない。すなわち権限のない者に、入力・修正作業をさせないことを繰り返し徹底すること。またセキュリティを侵害するような事態(ログオン時に表示されるパスワード入力ミス回数等)がなかったかを確認する。中央検査機関から検査値が直接EDCに電子的にUploadされた場合、すみやかに治験責任医師等に報告し、検査値の確認(異常変動、有害事象等)を要請しなければならない。EDCを利用した場合、直接クエリー(問合せ)を発行することができるが、安易にデータマネージャがクエリーを治験責任医師等に発行してはならない。必ず担当モニターが確認すること。4.症例報告書の写しの提供当該医療機関で最終被験者が終了(LPO)した際、症例報告書の写しをすみやかに当該医療機関に提供しなければならない。このことは見逃されがちであるが、製薬協の自主ガイダンスにおいて要求されている事項である。治験依頼者は臨床試験データを独占してはならない。症例報告書の写しを医療機関に提供することによって、治験依頼者側による改ざんを抑止し、不正が起きないことを証明することができるのである。症例報告書の写しを提供する際には、医療機関に対し、CD-R等メディアの保存性確保のための手順書(取り扱い方、保存環境等)を交付すること。(つづく) ]]>
これまでに何度も指摘を行ってきましたが、たとえ紙で承認を行ったとしても、当該電子記録は削除してはいけません。何故ならば、紙の上には監査証跡がないからです。ところが、電子記録を長期間維持することはたやすいことではありません。コンピュータシステムは、定期的にリプレースされます。通常旧システムから、新システムに移行する際には、データの移行を行います。しかしながら、監査証跡を移行するケースはほとんどないのではないでしょうか。監査証跡のない電子記録は、査察に耐えることができません。FDAは、監査証跡が消去されている場合などは、査察を拒否します。またワーニングレターを発行することがあります。FDAは、1994年にPart11のドラフトを発行した際には、本物を保管しておくように要請していました。つまり査察を行うまで、旧システムを維持することを求めたわけです。しかしながら、この要求について、製薬会社は反発しました。旧システムを査察のためだけに温存しておくことは不合理です。故障のリスクやメンテナンスの費用、さらにライセンス料も負担し続けなければなりません。このことをパブリックコメントで指摘され、FDAは1997年にPart11のファイナルルールを発行した際には「正確かつ完全なコピー」を実施することと要求を変更しました。つまり、旧システムから新システムに、監査証跡を含めて正確にかつ完全に移行しなければならないということです。しかしながら、これにも問題があります。同じメーカの同じソフトウェアのリプレースであれば可能でしょうが、メーカが違う場合にはほとんど不可能でしょう。ちなみに、査察が行われるまでの間、旧システムを温存する方法を「タイムカプセルアプローチ」と呼びます。また旧システムから新システムに移行する方法を「マイグレーションアプローチ」と呼びます。電子記録を保持するために、タイムカプセルアプローチをとっても、マイグレーションアプローチをとっても、問題があるわけです。つまり紙の記録と違って、電子記録を長期間保持し続けることは困難であるわけです。では、米国の製薬企業は一体どんな方法で、この問題を解決したのでしょうか。それはデータベースのみの保持です。査察時に必要なことは、電子記録の検索のみです。つまり査察時に検索が容易であればFDAも問題ありません。システムをリプレースする際に、旧システムは廃棄しますが、データベースのみは温存します。その上で、SQL文を作成し、査察官が電子記録を検索するツールを用意しておけば良いわけです。データベースもバージョンが上がることがありますので、それに合わせてアップグレードして行けば良いわけです。ただし、データベースの構造や、データを変更してはいけません。検索ツールも、データを変更できるものであってはいけません。くれぐれもシステムを買い替える際などには、まず現在保持している電子記録をどう保持し続けるかを検討することが大切です。安易にシステムを廃棄してはなりません。システム廃棄計画書を作成し、電子記録の保持方法について十分な検討を行っておく必要があります。 ]]>