What is Risk Analysis?
As a matter of course in medical device regulation, risk management is also important in pharmaceuticals.However, risk management in pharmaceuticals […]
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Call for Public Comments on Draft Revised Guidelines for Quality Risk Management Effective February 28, 2022, Draft Revised Guidelines for
2022年2月28日より、品質リスクマネジメントに関するガイドラインの改正(案)に対するパブリックコメントの募集が開始された。締め切りは2022年4月1日である。今般のガイドライン改正は2021年11月のICH Q9の改定を受けたものである。ICH Q9(R1)は2021年11月18日にステップ2となり、意見募集用に公表されていた。 筆者は、ICH Q9 「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」は読み易い半面、内容が抽象的で具体性がなく、実際の適用のためにはさらなる具体的なガイドライン(例示など)が必要であると常々考えている。実際に品質リスクマネジメントに関するガイドラインに準拠したSOP(つまり具体的な手順書)を作成しようとしても、非常に困難であることに気が付くはずである。 ICH Q9 「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」はQualityに含まれているが、医薬品の開発段階も適用範囲に入っているので、注意が必要である。開発段階では”品質リスクマネジメントは知識の蓄積の一部”としている。これにより、適切なリスクコントロールとは何かを技術移転の際に決定することが可能となる。 Q9(R1)においては「継続的改善」「医薬品品質システム」「管理できた状態」「不確実性」といった用語が新しく用いられた。「継続的改善」「医薬品品質システム」「管理できた状態」はICH Q10と整合させたものであると思われる。また「不確実性」は、ISO 9001におけるリスクの定義である。ICH Q9においては、ISO/IEC Guide 51に整合させて、リスクの定義を「危害の発生の確率とそれが顕在化した場合の重大性の組み合わせ」としている。ISO 9001におけるリスクの定義も引用している点が興味深いが、より抽象的になり、一般の人々には分かりづらいのではないかと思われる。また今般の改正では、適用範囲には変更はないものの、医薬品の「安定供給の欠如」もリスクに加えられた。つまり、品質に対するリスクには、製品の安定供給に影響があり、患者に危害が及ぶ可能性がある状況も含まれるのである。さらに「サプライチェーン」におけるリスクも追加された。製造やサプライチェーンが多様化しても、製品の安定供給は実現可能であるが、サプライチェーンがますます複雑化することにより相互依存が発生し、サプライチェーンの頑健性に影響を及ぼす体系的な品質/製造リスクにつながる場合がありえるためである。 品質リスクマネジメントを実施する際には、適切な分野の専門家として、品質部門、事業開発、技術、規制、製造、営業・マーケティング、サプライチェーン、法務、統計、臨床等が含まれるべきであるとしている。 リスクの評価において、主観性が品質リスクマネジメントに持ち込まれる可能性があることを留意点としてあげている。 例えば、リスクの評価方法に対する意見が異なる場合などである。リスクの定義に含まれる「発生確率」や「重大性」は、客観的なものではなく、主観的なものになってしまうことが多いためである。如何に科学的な(証拠に基づいた)評価を行うかが重要である。リスクの評価の際に、会議室に専門家を集めて議論をしたとしよう。しかしながら、主観的な評価に終わってしまっては、時を変え、場所を変え、人を変えて再度リスク評価を実施した場合に、同じ結果になるとは限らないのである。その結果、患者(被験者)にそのツケが回ってしまう危険性がある。そのためには、知識の利用を確実に実施することが必要である旨、警鐘を鳴らしている。 4章の「一般的なリスクマネジメントプロセス」においては、従前の「リスク特定」が「ハザード特定」に訂正された。筆者は、常々、セミナーなどで最初からリスクを特定することは不可能であり、ハザードを特定しなければならないと解説してきた。したがって、この訂正は喜ばしいことであると感じる。(セミナーで説明する必要がなくなった。)
品質リスクマネジメントの要点 ICH Q9 「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」が発出されたのは、2006年9月1日である。つまりリスクの高い医薬品業界において、20世紀中はリスクマネジメントに関する標準やガイドラインがなかったのである。 食品業界においてはHACCP(ハセップ)と呼ばれるリスクマネジメント手法が1970年代からあった。また医療機器業界においては 国際規格であるISO 14971が1990年代から存在した。 しばしば”クスリ”を逆に読めば”リスク”と言われる。しかしながら、20世紀における医薬品の製造は、なんらかのガイドラインもなく人の経験と勘に頼っていたのである。品質リスクマネジメントは、要員の経験と勘に頼るのではなく、科学的なリスクマネジメントを実施することが重要である。 品質リスクマネジメントにおいては、医薬品の「品質」における欠陥が患者に及ぼす「健康被害」を管理する。医療機器におけるリスクマネジメントは、当該機器の故障が患者やユーザに直接影響を与えるのに対して、医薬品の製造におけるリスクは、何らかの失敗事象が医薬品の品質に結果をもたらし、欠陥を持った医薬品が患者に投薬された際に何らかの健康被害を及ぼすと言った、いわば間接的なリスクマネジメントである。これが「リスクマネジメント」ではなく「品質リスクマネジメント」と呼ばれる所以である。 つまり、医療機器等におけるリスクマネジメントはダイレクト(直接的)であるのに対して、医薬品におけるリスクマネジメントは品質を介して患者に健康被害を与えると言った、インダイレクト(間接的)なリスクマネージメントである。 製造所における構造設備等の欠陥(故障、操作ミス等)が医薬品の品質に及ぼす影響を抽出するのである。なお、ICH-Q9は、医薬品のライフサイクル全般(開発、製造、配送、査察及び承認申請/審査)をカバーしている。つまり製薬企業のみならず規制当局も遵守義務があるのである。また医薬品製造のみならず医薬品の開発もその適用範囲に含まれる。 品質リスクマネジメントは、医薬品品質システムと表裏一体をなし、ライフサイクルモデル(PDCA)を基本としなければならない。つまり、品質リスクマネジメントは、決して医薬品品質システムの1プロセスではない。また、品質リスクマネジメントを実施する専門部署を設置する訳ではない。さらに、品質リスクマネジメントを実施するSOPを1冊作成する訳でもない。規制対象のすべての既存部門のすべての既存SOPに品質リスクマネジメントの概念を入れ込まなければならないのである。 品質リスクマネジメントでは、医薬品製造における「医薬品の品質に欠陥を生じさせるリスク」を適切にマネジメント(管理)し、患者への健康被害を防止することが目的である。例えば、・構造設備の故障・ヒューマンエラー・ソフトウェアのバグ・データインテグリティの欠陥等である。 一方において、いたずらにコンプライアンスコストをはね上げ、結果的に患者負担を増大させないことに留意しなければならない。リスクベースドアプローチをとること。 改正 GMP 省令においては、品質リスクマネジメント責任者を設置することとなった。(改正GMP省令 第3条の4 第2項) 構造設備における品質リスクマネジメントでは、故障、操作ミス(ヒューマンエラー)などの失敗事象に対して、主にFMEAを使用する。設備導入時に実施すること。適格性評価(クオリフィケーション)におけるOQでFMEAを使用し、リスクコントロールを検証(リスクが十分に低減したことを確認)すること。自動化装置(コンピュータ化システム)では、CSVを実施し品質リスクを低減すること。 関連商品
製薬業界や医療機器業界以外の多くの業界においてもリスクマネジメントは重要なプロセスである。 規制要件や国際規格などは千差万別であったとしても、その基本的なリスクマネジメントプロセスはほぼ同じである。 一般的なリスクマネジメントプロセスは下図に示すとおりである。 複雑で難解そうに見えるリスクマネジメントプロセスではあるが、基本的には以下の3つのステップしかないと考えてよい。 1.リスクアセスメント2.リスクコントロール3.リスクレビュである。 例として、車道と鉄道が交差しているとしよう。 まず初めに抽出するべきなのは、ハザード(危害の源)である。 上図を見て考えて頂きたい。 この図の場合、ハザードは電車と自動車である。 ただし、正確には電車も自動車も動いていなければ危害が発生しないため、電車のスピード、自動車のスピードがハザードとなる。 では、危害は何であろうか。 危害は、自動車の運転手や同乗者が死傷する、また電車の運転手や乗客がけがをするといった事象が考えられる。 つまりリスク(健康被害)が発生することが予想される。 それでは、リスクマネジメントを実施しよう。 リスクアセスメント まずはリスクアセスメントである。 リスクの定義は「危害の発生の確率とそれが発生したときの重大性の組み合わせ」である。 重大性は、死傷事故が想定されるため、”重大”または”5”であろう。 一方で発生確率の推定が困難である。その理由は、この鉄道と車道の交差がどこに存在するかが不明であるためである。 もしこの交差が都会に存在すれば、発生確率は”頻繁に発生する”または”5”であろう。
リスクっていったい何であろうか?こう言えばわかりやすいかも知れない。リスクと問題点は違う。問題点は解決するものであり、リスクは回避・低減するものである。つまり、問題点とは目の前にある障害のことであり、解決せざるを得ない。それに対して、リスクとは将来起こり得る問題のことであって、回避・低減すべきものである。ここで質問である。次の語群のうち、「リスク」と反対の意味を表す言葉として最もふさわしいものを選んで頂きたい。「安心」「安全」「確実」「チャンス」「リターン」一般的にはリスクは、不確実さのことをいう。つまり、正解は「確実」である。経済学においては、景気予想が下に外れてもリスクであるが、上に外れてもリスクである。宝くじに当たるのも実はリスクなのである。ISO/IEC Guide 51によると、「リスクとは危害の発生の確率とそれが発生したときの重大性の組み合わせ」とある。ここで重要なことは、危害の発生する確率であって、欠陥の発生する確率ではないことに注意しなければならない。医薬品や医療機器の製造において、欠陥が生じることがリスクではなく、欠陥によって患者等が危害を受けることがリスクなのである。例えば、ビタミン剤や栄養剤における品質の欠陥と、抗がん剤、血液製剤における品質の欠陥では、患者に与える危害の度合いが異なる。医療機器では、体外診断機器と放射線治療装置では、やはり危害が異なる。リスクを判定する際には、製品を理解することから始めなければならない。 食品業界では、HACCPと呼ばれるリスク分析手法が古くから使用されてきた。医療機器業界では、欧州で作成されたISO-14971が90年代から使用されてきた。ところが、ICHによって医薬品業界で品質リスクマネジメントのガイドライン(ICH Q9)が作成されたのは、2005年のことである。これだけリスクの高い製薬業界において、20世紀中は、リスクマネジメントに関するガイドラインが存在しなかったのである。医薬品業界では、リスクマネジメントではなく、品質リスクマネジメント(QRM:Quality Risk Management)と呼ぶ。その理由は、品質の欠陥が患者に与えるリスクを管理しなければならないからである。 医療機器においては、リスクはつきものである。ところが、日本人の特性において、ゼロリスクを要求しがちである。リスクを完全にゼロにすることは不可能である。マスコミは、事故を起こした企業に対して厳しくバッシングを行う。あたかもそれが正義であるかのようにふるまう。そのため、日本では企業はリスクの高い医療機器を製造したがらないし、規制当局もリスクの高い医療機器を承認したがらない。医療機器が年間9,000億円もの輸入超過になる要因の一つではないかと思われる。医療機器の発展のためには、リスクが伴うのである。 リスクは完全にゼロにはできないため、受容可能なまで低減を図らなければならない。「安全」とは、リスクがないことではなく、受容不可能な残留リスクがないことを意味する。 お役立ち動画 関連商品 ]]>
FDAは2003年以降、リスクベースドアプローチと呼ばれる医薬品監視指導方針を執っている。リスクベースドアプローチでは、製薬各社にリスクアセスメントを実施するよう求めている。では、リスクアセスメントとはいったいどのようなものであろうか。例えば、ハンバーガーショップでハンバーガーを焼く工程があったとしよう。製造指図には「180℃で3分間熱すること」と記載されているとしよう。ここで問題は、180℃に満たなかった場合や、3分間に満たなかった場合、熱がハンバーガーの奥まで届かず殺菌ができないため食中毒事故を起こしてしまうというリスクがあり得るのである。そこで考慮しなければならないのは、どういう場合に180℃に満たないといった失敗事象が発生するだろうか。例えば・バーナーが故障(見える範囲は正常だが中央や奥で詰まってしまっているなど)している。・温度計が故障している・温度計の針を読み間違えるなどである。一方で、3分間に満たないといった失敗事象は・時計が故障している・時計の針を読み間違えるなどである。このように、製薬の各プロセスにおいても、機械の故障やヒューマンエラーといった観点で、どのようなリスク(失敗事象)があるかをアセスメント(調査)しなければならないのである。リスクが明らかになれば、おのずとリスクの回避策が発見できる。・バーナーの日常点検を実施する・温度計や時計を2系統にする・(必要ならば)温度計や時計を2人で確認するなどである。 関連商品 ]]>
医療機器においては「リスクマネジメント」が適用される。一方で、医薬品に関しては「品質リスクマネジメント」(QRM:Quality Risk Management)が適用される。では、いったい「品質リスクマネジメント」とは何であろうか?医薬品の製造工程において、構造設備等の故障や逸脱などによって製品の品質に欠陥が生じる。品質に欠陥の生じた医薬品を患者が服薬した際にどのような健康被害が生じるのかを推定しなければならない。つまり「品質」を介したインダイレクト(間接的)なリスクマネジメントなのである。医療機器のリスクマネジメントとはダイレクトであるのに対して、医薬品はインダイレクトである。したがって、リスクの推定は極めて難しい。例えば、異物の混入によってどのような健康被害(死亡、重篤、入院、加療等)が生じるかを推定しなければならないのである。またリスクは試すことができない。例えば、異物を混入してみて患者にどのような健康被害が生じるかを試すわけにはいかないのである。「品質リスクマネジメント」はいわばナレッジマネジメントである。あらゆる科学的なエビデンスを集約して、十分にリスクを検討することが望まれる。2021年8月に施行された改正GMP省令においても、「品質リスクマネジメント」の概念を各手順書に組み込むことが求められている。 ]]>
我々はリスクを考えるときに、常に重大性と発生確率をかけて判断している。例えば、飛行機に乗る際に、もし墜落すればその結果は「致命的」すなわちほぼ助からないことを誰でもが知っている。しかしながらなぜ飛行機に乗るかというと、まず墜落しないと考えているからである。つまり、重大性は「致命的」でも発生確率は「ほぼ考えられない」なのである。 アメリカの国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという。アメリカ国内に限って言えば0.000034%である。これは8,200年間毎日無作為に選んだ航空機に乗って一度事故に遭うか遭わないかという確率なのである。自動車死亡事故が0.03%であるので、その33分の1以下だ。航空機があらゆる輸送手段の中で最も安全と言われる所以である。 このことを如実に証明したデータがある。2001年9月のアメリカ同時多発テロ事件の後、アメリカ人の多くが民間航空機による移動を避けて自家用車による移動を選択したために、同年の10月から12月までのアメリカにおける自動車事故による死者の数は前年比で約1,000人増加した。 R-MAP(下図)において、1000年に1度以下は、重大性にかかわらずCであり、安全な領域となる。 航空機事故については、重大なインシデントを含め、徹底的な事故調査が実施される。 それによって、設計変更等を繰り返し、発生確率を極めて下げることによって安全性を高めているのである。 リスクマネジメントでは重大性はほぼ下がらない 多くのリスクマネジメントの規格やガイドラインなどでは、重大性と発生確率のどちらかまたは両方を低減させることを求めている。 ISO-14971では「リスクコントロール手段は、危害の重大さ若しくは危害の発生確率又はその両者を減少させることができる」との記載がある。 しかしながら、重大性についてはリスクコントロール実施後も変化しない(危害の重大性は不変)という認識が一般的である。 つまり、重大性を下げることは極めて困難なのである。 例えば、墜落しても死亡しない飛行機は造れない。しかしながら、極めて墜落しない飛行機は設計できるのである。 リスクマネジメントを実施して、重大性を下げようと苦心している人をしばしば見かけるが、ほとんど困難であることを認識されたい。 過日、あるコンサルタントのセミナーを受講した当社クライアントから、『重大性は下がらないと言っている人がいるが、それは間違いである。例えば90℃になる温度を60℃に下げれば重大性は下がる。』と説明を受けたが、どちらが正しいのかといった問合せがあった。 おそらく、当該コンサルタントは筆者の主張を引用しているのだと思われる。 しかしながら、当該コンサルタントの主張はパラドックスである。 そもそも90℃を60℃に下げることが可能なのであれば、当初から要求仕様で60℃と要求すれば良いではないか。 この主張が許されるのなら、要求仕様書で適当な(大き目な)基準や許容公差を求めておいて、リスクマネジメントにおいてリスクを下げたように繕うことが可能となる。これではお手盛りである。
ウェブセミナー 「GMP施行通知」改定のインパクト 「GMP施行通知」改定のインパクトを研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 ICH-Q9において、リスクは「危害の発生の確率とそれが発生したときの重大性の組合せ」との定義されている。これは国際規格であるISOとIECの共通規格としてGuide 51で定義されているものをそのまま採用している。われわれは普段の生活の中で常にこの掛け算を実施している。例えば出張で飛行機を利用しようとしよう。誰もが飛行機が墜落をすれば破局的である(重大性=大)ということが理解している。しかしながらおそらく飛行機が墜落することがない(発生確率=極少)と考えている。このように我々は常に頭の中で重大性と発生確率をかけてリスクを判断している。医薬品におけるリスクにおいて重要な事は、リスクとは必ず患者や消費者への健康被害を対象としなければならない。製品品質に何らかの結果が生じた医薬品が患者に服薬された際にどのような健康被害生じるかを管理する必要がある。また大事なことは、リスクは決して試すことができないということである。例えば製品に異物を混入させてどの様な健康被害が生じるかを実験するといったことが許されないのである。理解しておかなければならないことは、構造設備は必ず故障するのである。また人は必ず失敗するのである。品質リスクマネジメントにおいて重要なことは、構造設備が故障する確率を下げることである。 また万が一故障した場合にそれを発見する確率を高めることである。同様に、ヒューマンエラーを起こす確率を下げること及び発見確率を高めなければならない。筆者は、長年にわたって製薬企業や医療機器企業においてリスクマネジメントに関するコンサルテーションを実施してきた経験を持つ。多くの企業ではリスクマネジメントの本質を理解していないことが多い。 PMDAのホームページに「医薬品製造所における品質マネジメントシステムの活用及び医薬品品質システムの取り組みに関する研究」における成果物が公開されている。これらは『本研究は、医薬品品質システム及びその活動の実現のための重要な要素である品質リスクマネジメントの考え方を国内の製造所に広く導入する仕組みを提案することを目的とした』ものであるという。この中で、品質リスクマネジメントの活用を促進させるためのツールとしてリスクアセスメントシートがある。その内容をみて筆者は驚愕した。 このリスクアセスメントシートには、数多くのリスク事例が掲載されている。しかしである。多くがリスクマネジメントにとって不適切であると言わざるを得ない。例えば「ユーザー要求仕様書(URS)を作成していない」や、「 DQを実施していない」などが例として挙げられている。 これらはいわば不作為である。ユーザー要求仕様書を作成することやDQを実施することは必須である。それらが実施されていないことをリスクとすることは極めて不適切である。規制要件やSOPを遵守し作業を実施することは当然のことである。 またこのリスクアセスメントシートには、重大性、発生確率、検出確率を記載する欄がない。本来リスクアセスメントシートには、当該の構造設備においてどのような故障や操作上のミスが発生するかを列挙なければならない。そのような故障やミスが発生した場合に製品の品質にどのような影響が生じるかを推定する。またその結果、品質に欠陥をもった医薬品が出荷され、患者が服薬した際にどのような健康被害が生じるのかを評価しなければならない。品質リスクマネジメントの本質を理解し、適切な実施例を示すことが望まれる。 データインテグリティに関する規程・手順書 イーコンプレスでは「データインテグリティ規程・手順書」の販売を開始いたしました。 データインテグリティ規程・手順書 55,000円(税込) 【目次】 目次 データインテグリティ規程 1. 目的2. 適用範囲3. 用語の定義4.