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厚労省コンピュータ化システムバリデーションガイドラインの考察(2008.10執筆) 

ウェブセミナー Computerized System Validationについて研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 厚労省版「コンピュータ化システムバリデーションガイドライン」の考察 1. はじめに 2008年10月29日に開催された日薬連主催の「第28回医薬品GQP・GMP研究会」では、「コンピュータ化システムバリデーションのガイドライン」についての概要が発表された。これは平成4年に発出され、平成17年3月30日に取り下げられた「コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン(薬監第11号)」を改定するものである。厚生労働省は、平成17年3月30日に本ガイドラインを取下げた。取下げの意図は不明である。この取下げにおいて、輸出等において混乱をきたした。例えば、台湾行政院衛生署は、1999年5月1日に「薬品優良製造規範」を公告し、台湾市場へ医薬品を供給する台湾内外の製薬メーカに対しバリデーションの資料を段階的に提出することを義務付けた。そして2005年12月10日までに輸入許可を取得している全医薬品について、コンピュータバリデーションデータの提出を要請した。そこで、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課は、平成18年10月13日付の事務連絡において「GMP/QMS事例集(2006年版)について」の117頁GMP 20-12 (コンピュータの利用等)において、新たなガイドラインが発出されるまでの間は、従来どおり、本ガイドラインを参考とすることとし、一部改定の上、現在でも有効とした。その上で2007年6月より、厚生労働省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、日本製薬団体連合会 品質委員会、製剤機械技術研究会が共同で、本ガイドラインについての見直し作業を進めている。2008年2月には、見直しにあたり、各企業の現状を踏まえたものとするため、日薬連及び日本医薬品原薬工業会傘下会員社にアンケート調査を実施した。また改定案に対するコメント収集及び評価を行い、改定案の最終化と規制当局へ提案が行われた模様である。今後は、厚労省版「コンピュータ化システムバリデーションガイドライン」が施行され、それにともなって査察マニュアルも見直しされるものと推察される。今回は2008年10月29日 日薬連主催「第28回医薬品GQP・GMP研究会」配布資料をもとに、近い将来に発行されると予想される厚労省版「コンピュータ化システムバリデーションガイドライン」を考察してみたい。 2. 日本におけるコンピュータ化関連指針 日本におけるコンピュータ化関連指針としては、厚生省(当時)から平成4年2月21日に出された薬監第11号監視指導課長通知「コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン」と、平成5年1月11日に出された薬監第3号監視指導課長通知「コンピュータ使用医薬品等製造所査察マニュアル」があげられる。この2つの通知を受けて、平成5年に薬事法が改正され、医薬品GMPの改正が行われ、バリデーションを実施することが医薬品製造の許可要件となった。(図1参照) 図1 日本におけるコンピュータ化関連指針 コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドラインは、厚生省がソフトウェアベンダーに作成を依頼した経緯があり、実用的で、読みやすく分かりやすいものになっている。しかしながら、本ガイドラインはソフトウェアを開発する側の論理で作成されており、検証する側の論理、すなわちバリデーションの概念が薄いものとなっている。(図2参照) 図2 コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン 3. […]

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規制当局によるER/ES査察の開始

2008年10月20日のGCP研修会で、規制当局からEDCに関する信頼性調査の概要が発表されました。厚労省ER/ES指針が発出されて3年半がたちますが、いよいよ本格的なER/ES査察が開始されることになります。発表された信頼性調査チェックリストは、まだ改定と公式な発表が必要なようです。したがって今すぐ査察が行われるわけではありません。しかしながら、準備は早急にしておかなければなりません。ER/ES指針(案)は、平成15年6月4日に厚生労働省医薬局審査管理課から発表されました。この際には平成14年9月に米国ワシントンにて開催されたICH運営委員会において、eCTDがステップ4の3極合意に達したことをふまえ、医薬品等の承認又は許可に係る申請に関する記録等において電磁的記録及び電子署名を利用するための指針(案)を作成した旨の説明がありました。つまり厚労省ER/ES指針は、もともとeCTDを実施する際の要件であったことがうかがえます。パブリックコメントを電子メールによって提出する際のアドレスがectdshishin@mhlw.go.jpであったことからも推察できます。しかしながら、eCTD申請受付が開始されてから3年半が経った現在でも、eCTDによる申請会社数は20社程度と伸び悩んでいます。ただし申請数は増加していますので、同じ会社が繰り返しeCTDによる申請を行っていると推察されます。もともとeCTDに向けて作成された厚労省ER/ES指針も、ふたを開けてみればその適用第1号は、EDCとなったわけです。これまで書面調査は、原本を規制当局に持参していましたが、EDCにおけるeCRFのように電子記録が原本となるようなケースでは、査察官が製薬企業を訪問し調査することとなりました。その理由は、監査証跡の確認です。EDCにかぎらず、今後の査察では、製薬企業が電子的に作成した記録を、厚労省ER/ES指針に照らして調査を受けることが予想されます。前回のメルマガや、論文等を通じて、タイプライターイクスキューズは通用しないことを繰り返し述べてきました。いわゆるハイブリッドシステムでは、手書き署名や記名・捺印を紙媒体化したのみであり、記録は電子です。したがって、紙媒体で承認を行ったとしても、けっして電子記録は削除してはなりません。コンサルテーションをご提供している製薬企業で、よく次のような主張を聞きます。「当社では、承認は責任者がすべてのプロセスを確認したうえで、紙媒体で行っている。したがって紙媒体が原本であり、正本である。」つまり責任者が保証しているので、紙媒体が正しいと言いたいのであると思います。しかしながら、世界の規制当局はその責任者を疑うのだということを知らなければなりません。事故米や牛肉偽装問題など、世間を騒がせる事件のほとんどは、企業のトップの指示により実行されています。査察直前に責任者が命じて電子記録を改ざんさせ、再度印刷の上で、承認を行ったとしたらどうでしょうか。規制当局が電子記録の監査証跡を確認しなければ、改ざんは発見できないことになるでしょう。EMEAのANNEX11改定案でも、紙媒体で査察を受ける場合は、監査証跡をすべて印刷しておくことを要求しています。その場合でも、印刷された監査証跡が複雑である場合は、査察官はいつでも電子記録を直接参照できることを記述しています。おそらくPart11の改定でも同様の要件が盛り込まれることでしょう。今月末に日薬連主催の「医薬品GQP・GMP研究会」が開催され、その中で「コンピュータ化システムガイドライン」の概要が発表される予定です。これは平成4年に発出され、平成17年3月30日に取り下げられた「コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン(薬監第11号)」を改定するものです。日本におけるCSVのガイドラインがどのように変更になるかが注目されます。ある著名なEDCシステムでは、ユーザを無効化した際に監査証跡が消去されてしまうという、非常に大きな欠陥があります。セキュリティ上、LPO(Last Patient Out:最終症例終了)の際には、当該医療機関のユーザを無効化しなければなりません。その際には、無効化するのではなく、パスワードを変更するといった代替手段が望まれます。規制当局が電子記録の査察を行った際に、見破れない不正行為が一つだけあります。それはパスワードの漏えいです。治験責任医師が他の者にパスワードを教え、電子署名を代わりに実行させたとしても、その事実はわかりません。この行為は、実印を他人に預けることと同等です。決して許されません。電子化がすすみ、便利になったとは言え、何事も利用する人たちのモラルにかかっていることは否めません。 ]]>

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ER/ES実践講座(第12回) ER/ES指針査察の開始

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 ER/ES指針査察の開始 1. はじめに 2008年10月20日に開催された「平成20年度 GCP研修会」で、医薬品医療機器総合機構(以下、機構)信頼性保証部からEDCに関する信頼性調査(書面調査)の概要が発表された。平成17年4月に「医薬品等の承認又は許可等に係る申請等に関する電磁的記録・電子署名利用のための指針」(以下、ER/ES指針)が発出されて3年半が経つが、いよいよ本格的なER/ES査察が開始されることになる。発表された信頼性調査チェックリストは、まだ改定と公式な発表が必要であると思われる。しかしながら、準備は早急にしておかなければならない。なぜならば、現在実施中の治験における電子記録は、間違いなく書面調査の対象となるからである。これまで書面調査は、機構に原本を搬入して行われていた。しかしながら、EDCシステムのように原本が電子の場合、機構会議室では確認ができない事例が発生している。このため、原本を確認するために、必要に応じて、依頼者側に訪問(訪問型書面調査)の上実施されることになる。しかしながら現行のEDCシステムの一般的な運用方法と、規制当局の認識には、多少のずれがあるように思われる。本稿では、いよいよ開始されるER/ES指針査察に対応するための課題と問題点を考察してみたい。 2. EDCに関する信頼性調査の概要 2.1 機構が行う信頼性調査の根拠 機構が行う信頼性調査は、薬事法第14条第5項に規定されている。臨床試験関係については、医薬品等の製造販売承認申請の際に、申請資料等がGCP省令や、薬事法施行規則第43条に対しての適合性を、書面または実地により調査するものである。機構が実施する臨床試験成績に対する信頼性調査には、以下の2通りがある。・適合性書面調査(Document-based Conformity Audit)・GCP実地調査(GCP on-site Review) 2.2 ER/ES指針と書面調査 症例報告書の作成・保管において、電磁的記録を利用するのであれば、GCP省令第2条、第4条、第26条、第47条に加えて、ER/ES指針にも留意する必要がある。ER/ES指針(案)は、平成15年6月4日に厚生労働省医薬局審査管理課から発表された。この際には平成14年9月に米国ワシントンにて開催されたICH運営委員会において、eCTDがステップ4の3極合意に達したことをふまえ、医薬品等の承認又は許可に係る申請に関する記録等において電磁的記録及び電子署名を利用するための指針(案)を作成した旨の説明があった。つまりER/ES指針は、もともとeCTDを実施する際の要件であったことがうかがえる。しかしながら、eCTD申請受付が開始されてから3年半が経った現在でも、eCTDによる申請会社数は伸び悩んでいる。もともとeCTDに向けて作成されたER/ES指針も、ふたを開けてみればその適用第1号は、EDCとなったわけである。これまで書面調査は、原本を規制当局に持ち込んでいたが、EDCにおける電子CRF(以下、eCRF)のように電子記録が原本となるようなケースでは、査察官が製薬企業を訪問し調査することとなった。その理由は、監査証跡の確認であるといえる。EDCにかぎらず、今後の査察では、製薬企業が電子的に作成した記録を、ER/ES指針に照らして調査を受けることが予想される。 2.3

GMP, Pharmaceutical

ANNEX 11改定版の考察

EU薬事規則はVolume 1からVolume 9まであります。その中でVolume 4がGMPです。このGMPには、付属資料がありAnnexと呼ばれています。その第11章であるAnnex11は、コンピューター化システム(Computerised Systems)です。現行のAnnex 11は「原則」「要員」「バリデーション」「システム」の4つの枠組みからできていますが、たったの2ページであり、概念的なもので具体性には乏しいようです。Annex 11の改定版のドラフトが2008年2月にGMP/GDP InspectorsWorking Group(IWG)によって承認され、2008年4月にパブリックコメント(public consultation)募集用に発表されました。改定版のドラフトは9ページあり、規制要件としては、限界まで具体的なものにしたと思われます。。2008年10月31日までパブリックコメントを募集しています。改定版はPrincipleと19の章からできています。特に注目すべきは、第13章「Printouts」です。「記録の印刷は、オリジナルの入力からデータに変更があったかどうかを示すものでなければならない。複雑なシステムの場合、査察官がオンラインでシステムの電子記録(例えば、データベース、クロマトグラフィ、プロセスコントロール等)にアクセスし、調査できることが必要となるかもしれない。」とあります。これは、規制当局は紙媒体よりも電子で査察を行うことを示唆しています。米国ではPart11発効後に、Typewriter Excuseという言葉が生まれました。Part11査察を受けた製薬企業の主張は以下のようなものでした。「真の記録は紙の記録である。我々はコンピュータを単に記録を作成するために使っているに過ぎない。」これに対してFDAは「プリントアウトを本質的に信頼することはできない、なぜならプリントアウトにはデータの再構築または生データから再現するために必要なメタデータ情報を含んでいないからである。」等と主張しました。つまり印刷物には、監査証跡等のメタデータの情報がなく、規制当局が紙媒体で査察を行った場合、その改ざんの有無が確認できないのです。多くの場合、いわゆるハイブリットシステムを運用されていることと思います。ハイブリットシステムとは、電子で記録を作成し、紙媒体で署名することを言います。この場合、紙媒体上で承認をしたからといって、電子記録を削除してはなりません。なぜならば改ざんしたものを印刷し、承認したのち、証拠を消したと判断される可能性があるからです。FDAは、印刷後に電子記録を削除したシステムに関してワーニングレターを発行したことがあります。Annex 11は、こういった米国の規制当局と製薬企業の議論をよく研究し、改定案を作成したようです。Annex 11の改定に伴い、PIC/Sの改定も必至と思われます。 ]]>

Part11, Pharmaceutical

Part11の改定の見通しについて

2008年4月7、8日にデンマークのコペンハーゲンで開催されたISPE主催のGAMP5発表セミナーでSion Wyn氏がPart11の改定の見通しについて講演しました。Sion Wyn氏は、Conformity社のDirectorであり、GAMP5のEditorです。現在FDAにPart11の改定のメンバーとしてアサインされており、Scope& Applicationの作成メンバーの一人でもあります。講演要旨は以下の通りです。われわれは現在でも発行したオリジナルの計画とパブリックコメントによって改定されたルールに沿って進めつつあるが、とりわけタスクチームの心配事と言えば、コメントをフォローすること、改定したガイダンスに従って改定したPart11規則を発表すること、さらにより改定したガイダンスを発行すること、そして明らかに新しいプリアンブル(前文)を完成させることである。したがってまだ計画段階であるが、それがタスクチームとして達成すべきことである。それがいつになるかという質問は答えにくい。タスクチームにしてみれば、改定した規則の内容に満足しているが、いまだに当局における内部レビュプロセス中である。FDAによって精査されるまではパブリックコメント募集のための発表ができないことになっている。それはたいへん進行が遅く見えるが、それは特に最高評議会事務局での法的審査をうけなければならないからである。それがまさに長い時間を要する理由である。お伝えできることは、いまだ規則を改定し発表することに注力しているが、正直いつとはいえないということである。もちろん今年中であると願っている。それまでの間に何をするか、という問題には妥当かつ正当な答えがあると考えられる。「Part 11 Scope and Application」のファイナルガイダンスは、2003年に出されたものの、昨今の電子記録と署名においての当局の位置づけを色濃く反映しており、いまだに極めて今日的な意味を帯びている。したがってそのガイダンスを読めば、現行の規制では、ヨーロッパ勢が大変強い立場にあると推測される。そしてまたGAMPのような業界ガイダンスによる電子的記録と署名に関する実践規範(good practice)を見ると、今日FDAが基本と考える患者の安全に関する完全性(Integrity)の適切なリスク管理を顕著に反映している。常に「製品とプロセスの理解」に立ち戻ることが必要である。一旦「製品とプロセスの理解」を得られれば、プロセス中の当該記録の役割とデータの完全性のインパクトが理解でき、それらの記録に対するリスクを抽出し、適切な管理を選択することが出来る。それゆえ私は、どんな管理を常時適用するかまたは特定の環境においてのみ適用するかをはっきりと述べた規制要件(regulations)よりも、経営者たちそして明らかにサプライヤーが業界のことを考え、特にリスク認識において、理解に基づく適切な管理を選択するような規制を待ち望んでいる。もう一つ混乱をきたす可能性のあることについて言っておくと、皆さんの中には最近連邦広報(federal register)でFDA のPart11に関してのコメント募集を見たかもしれない。これは再検討プロセスの一部ではなく、私は定期レビュと考えたい。規制要件の経済的影響に関して、確実に規制の精査を要する要件がいくつかある。ある期間が過ぎた後に、規制要件の経済的影響を再考するということである。それは単に定期レビュだと考えられる。この事実はすなわちPart11が経済的影響を保証する時が来たということである。それで連邦広報でコメントを募集した。新しい規制要件や変更があるということではなく、興奮する必要はない。個人的には、改正された規制要件の発表の前に実施されるというのは、多少紛らわしいと考える。たとえ連邦広報でそれを見たとしても、興奮しないこと。それは新規制要件へのコメント要請とかそのたぐいのものではないのである。 ]]>

One Point, Pharmaceutical

GAMP(R) 5の考察

2008年2月28日にGAMP 5が発表されました。2001年のGAMP4の発表から6年を経ての改定となりました。今回の改定では、Main BodyとAppendicesが変更されました。GAMP 5は、現行の業界標準と最新の規制要件を満たしたとされています。しかしながら、これは製薬業界のCSV SOPとのかい離が大きく、いわばGAMPが後追いをしたような感があります。これまでのGAMP 4は、システムを一から構築することを想定していました。しかしながら多くの場合は、設定変更(コンフィギュレーション)が可能な市販製品(パッケージ)を利用することが多いはずです。またGAMP 4は、工場の自動化システムを想定しており、いわゆるコンピュータシステムが対象ではなかったようです。GAMP 4はタイトルが「GAMP Guide for Validation of Automated Systems」でしたが、GAMP 5では「A Risk-Based Approach to Compliant GxP

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Part11の改定の見通しについて(2008年5月執筆)

ウェブセミナー FDA関連 FDAについて研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 Part11の改定の見通しについて 2008年4月7、8日にデンマークのコペンハーゲンで開催されたISPE主催のGAMP5発表セミナーでSion Wyn氏がPart11の改定の見通しについて講演した。Sion Wyn氏は、Conformity社のDirectorであり、GAMP5のEditorである。現在FDAにPart11の改定のメンバーとしてアサインされており、Scope & Applicationの作成メンバーの一人でもある。講演要旨は以下の通りである。 われわれは現在でも発行したオリジナルの計画とパブリックコメントによって改定されたルールに沿って進めつつあるが、とりわけタスクチームの心配事と言えば、コメントをフォローすること、改定したガイダンスに従って改定したPart11規則を発表すること、さらにより改定したガイダンスを発行すること、そして明らかに新しいプリアンブル(前文)を完成させることである。したがってまだ計画段階であるが、それがタスクチームとして達成すべきことである。それがいつになるかという質問は答えにくい。タスクチームにしてみれば、改定した規則の内容に満足しているが、いまだに当局における内部レビュプロセス中である。FDAによって精査されるまではパブリックコメント募集のための発表ができないことになっている。それはたいへん進行が遅く見えるが、それは特に最高評議会事務局での法的審査をうけなければならないからである。それがまさに長い時間を要する理由である。 お伝えできることは、いまだ規則を改定し発表することに注力しているが、正直いつとはいえないということである。もちろん今年中であると願っている。それまでの間に何をするか、という問題には妥当かつ正当な答えがあると考えられる。「Part 11 Scope and Application」のファイナルガイダンスは、2003年に出されたものの、昨今の電子記録と署名においての当局の位置づけを色濃く反映しており、いまだに極めて今日的な意味を帯びている。したがってそのガイダンスを読めば、現行の規制では、ヨーロッパ勢が大変強い立場にあると推測される。そしてまたGAMPのような業界ガイダンスによる電子的記録と署名に関する実践規範(good practice)を見ると、今日FDAが基本と考える患者の安全に関する完全性(Integrity)の適切なリスク管理を顕著に反映している。常に「製品とプロセスの理解」に立ち戻ることが必要である。一旦「製品とプロセスの理解」を得られれば、プロセス中の当該記録の役割とデータの完全性のインパクトが理解でき、それらの記録に対するリスクを抽出し、適切な管理を選択することが出来る。それゆえ私は、どんな管理を常時適用するかまたは特定の環境においてのみ適用するかをはっきりと述べた規制要件(regulations)よりも、経営者たちそして明らかにサプライヤーが業界のことを考え、特にリスク認識において、理解に基づく適切な管理を選択するような規制を待ち望んでいる。 もう一つ混乱をきたす可能性のあることについて言っておくと、皆さんの中には最近連邦広報(federal register)でFDA のPart11に関してのコメント募集を見たかもしれない。これは再検討プロセスの一部ではなく、私は定期レビュと考えたい。規制要件の経済的影響に関して、確実に規制の精査を要する要件がいくつかある。ある期間が過ぎた後に、規制要件の経済的影響を再考するということである。それは単に定期レビュだと考えられる。この事実はすなわちPart11が経済的影響を保証する時が来たということである。それで連邦広報でコメントを募集した。新しい規制要件や変更があるということではなく、興奮する必要はない。個人的には、改正された規制要件の発表の前に実施されるというのは、多少紛らわしいと考える。たとえ連邦広報でそれを見たとしても、興奮しないこと。それは新規制要件へのコメント要請とかそのたぐいのものではないのである。 ]]>

ERES, Pharmaceutical

保存性の課題

日本版ER/ES指針の3.1.3.電磁的記録の保存性の(2)には、以下のような要件が記載されています。(2) 保存された電磁的記録を他の電磁的記録媒体や方式に移行する場合には、移行された後の電磁的記録についても真正性、見読性及び保存性が確保されていること。Part11対応でも同じことですが、記録の長期保存は技術的に困難な点があります。以外と保存性の課題が知られていないので、解説を行いたいと思います。例えば、電子文書をMS-Wordで作成したとします。この場合、作成者・作成日等はMS-Word文書に記録されます。またはプロパティに入力しておきます。これらの情報はMS-Word文書をpdf化した際に継承されません。つまり方式の移行にともない、真正性が欠如してしまうのです。作成者・作成日以外にも、変更者・変更日・承認者・承認日なども同様です。例えばドキュメント管理システムなどのようなシステムの場合、これらの情報は当該電子文書とは別にリレーショナルデータベースに記録されています。この場合、電子文書を別のシステムに移行する際、どのようにこれらの情報を共に当該電子文書に付加させるかが問題となります。このことはシステムのリプレース時に必ず問題となります。せっかく当該システムがPart11や日本版ER/ES指針に対応していたとしても、システムをリプレースする際に真正性を確保できないことになってしまします。また地震や火災などの災害の際、システムを再構築した場合も同様の問題が起こります。万が一、電磁的記録を手作業によって復旧した場合、監査証跡等の情報が欠落してしまいます。したがってバックアップを用いてリカバリを行わなければなりません。そのためバックアップは真正性の要件になっています。保存期間中に起こり得るシステムの移行や災害時の復旧など、監査証跡を伴わない作業について規制当局はセンシティブです。これらの移行作業中に、データの改ざんやねつ造が行われたとしても監査証跡が残らないため、検証が行えなくなってしまいます。筆者は真正性、見読性、保存性の要件の中で、保存性が最も対応が困難と考えています。 ]]>

ERES, Part11

ER/ES実践講座(第11回) 製薬協EDC自主ガイダンスの考察(その2)

ER/ES実践について研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 製薬協EDC自主ガイダンスの考察(その2) 1. はじめに 今回も前回に引き続き「臨床試験データの電子的取得に関するガイダンス」(以下、ガイダンス)の内容を考察してみたい。ガイダンスでは、内容の多くを真正性の要件に費やしている。真正性を確保するためには、セキュリティにより改ざんが防止できることと、監査証跡により改ざんが発見できることが必要である。加えて災害時やシステムの移行時などに、データを復旧させたり、移行する際に電磁的記録の真正性を確保することも求められる。この場合、症例データのみならず、監査証跡や電子署名の情報も完全かつ正確に復旧または移行できなければならない。これら復旧作業や移行作業は、多くの場合、監査証跡を記録することができない。したがって手作業によりそれら作業を行う場合には、あらかじめ定められた手順に従って実施することが必要である。電子署名は、現在のところ多くのEDCシステムではユーザIDとパスワードの組み合せによる方式であり、デジタル署名のように認証局の電子証明書を伴うものではない。欧米では、デジタル署名の標準化が進んできており、早晩EDCシステムにも利用されるようになるものと思われる。 2. 電子署名に関する要件 4. 臨床試験データを電子的に取得するための要件4.1. 実施医療機関で入力されるデータについての要件4.1.1. 電磁的記録の真正性に関する要件1)電子署名を利用する場合は、ERESガイドライン「4.電子署名利用のための要件」に沿って適切に運用されている(注:ERESガイドライン及びその案のパブリックコメント回答において、個々の電子署名は暗号化を必要としないこと、また記名捺印又は手書き署名も含む「ハイブリッドシステム」を拒絶するものではない、としている。EDCシステムにおいてもこれは適応できるものである。)。 これまでも本シリーズで何度か解説してきたが、ERESガイドラインでは、電子署名法に基づき電子署名の管理・運用に係る手順を文書化し、適切に実施することとしている。電子署名法の要件を満たす電子署名は、デジタル署名である。21 CFR Part 11(以下、Part11)においても、EDCに代表されるようなオープンシステムの利用時においては、デジタル署名などの技術を使用することとなっている。しかしながらグローバルにおいても、現状のEDC運用においては、デジタル署名はほとんど使用されていない。欧米においては、米国研究製薬工業協会(PhRMA)と欧州製薬団体連合会(EFPIA)の後援による、世界的な電子署名プロジェクトであるSAFE(Secure Access For Everyone)が実用化されつつある。SAFEの認証局運用基準は、Part11のデジタル署名の要件をクリアするように定められている。現時点では、製薬企業と治験を行う医療機関やCROとの間のB to

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