レビュと承認について

製薬企業・医療機器企業・CRO・ベンダー各社では、日々文書や記録のレビュと承認が実施されている。しかしながら、本来の規制当局やISOなどの国際規格が要求するレビュや承認はほとんど実施されていないのが現状である。 ISO-9001では「レビュ」というキーワードが頻繁に登場する。読者諸氏は、「レビュ」を何と訳しているであろうか。多くの場合「確認」と訳していないだろうか。特に「レビュア」を「確認者」と訳していることがもっぱらである。 そうではない。ISO-9001の定義では、「レビュ」とは「設定された目標を達成するための検討対象の適切性、妥当性、及び有効性を判定するために行われる活動」としている。すなわち、適訳は「審査」または「照査」である。「審査」であるため、合格か不合格が決められるはずである。間違いや不整合があった場合、それらを指摘し、修正するように指導するのである。指導するのがレビュであるため、レビュを行う者は、作成者よりも経験や知識が多くなければならない。そうでなければ指導できないからである。 筆者はしばしば外部監査の依頼を受ける。その際には必ずレビュアにインタビュを行うのである。レビュにおいてどのような「指導」を行ったのかを確認するためである。しかしながら、ほとんどのケースでレビュは形骸化され、表紙に署名をするのみとなっている。これでは品質保証にはなり得ない。管理者や上司の仕事は「部下の育成にある」ことを心に刻んでおく必要がある。 一方において、「承認」とは何を意味するのであろうか。承認者はすべての記録を精査することはできない。ではどうやって当該文書や記録を承認するのであろうか。承認者は、当該文書や記録に関して必要なスキルを持ったレビュアが審査(照査)し、コメントを付し、作成者がコメントに沿って全ての問題が解決したことを確認した上で承認するのである。つまり承認者は、適正なレビュ(審査・照査)が実施され、品質が保証されていることに関して責任を持つのである。 ]]>

ISO-9001の認証を受けていても品質が向上しない訳とは

ISO-9001やISO-13485(医療機器メーカの場合)を取得しているにもかかわらず、品質(歩留まり等)が一向に向上せず、顧客苦情が減少しなかったり、回収が頻繁に起きたりといったケースが多い。 その最大の理由は、これまでのISO-9001などの国際規格はその記述があいまいであり、企業側にとって解釈の余地(幅)が広いことがあげられる。そこでISO-9001:2015やISO-13485:2016などでは、解釈がバラバラにならないように、平易かつ分かりやすい箇条となっている。 しかしながら、最も大切なことは、企業が国際規格の趣旨や精神をよく理解して、自社のQMSを構築することである。ISOやIECなどの国際規格は、過去の失敗や経験に基づいて作成された、いわば人類の知恵である。それら知恵を借りず、適切に理解しなければ、先人の轍を踏み、問題が解決せず、品質の向上も望めない。 ISO-9001などの品質規格に従ってQMSを構築するということは、品質保証の仕組みがあるということであり、PDCAサイクルがあり、「今日よりも明日、明日よりも明後日は品質が向上していく」という保証があるということである。 そこで最も大事なのは、CAPAや内部監査などの改善プロセスである。改善プロセスが正しく運用されなければ、経営者は自社の品質問題に気付くことがなく、必然的にリソースを適切に割り当てることができず、品質が向上しない(歩留まりが下がらない、苦情が減少しない)といった負のスパイラルに落ちるのである 。 図.ISO-9001:2015におけるPDCAサイクル またよく問題になるのは、ISO-9001やISO-13485(医療機器メーカの場合)を取得しているにもかかわらず、FDAなどの査察において指摘を受けるケースが多い。 その訳とは何であろうか。 まず第一に筆者が考えることは、ISOの認証機関は商売である。したがって、あまり厳しく多くの指摘を出し、認証を渋った場合、顧客が他社に流れてしまうことがある。したがって、必然的に当たり障りのない指摘を出しがちである。しかしながら、FDA等の査察においては、自国民の安全性を担保するために実施するわけであるため、必然的に厳しい指摘を十分な数だけ出すこととなる。 第二に、ISO認証などの第三者監査は、ISO-17011においてコンサルテーションが禁じられている。その理由は何個か挙げられるが、認証官の能力(そもそもコンサルタントではない)によって内容が異なること、企業毎に不公平にならないことなどが考えられる。したがってQMSや記録の品質をどうやって向上させるかといった指導は全くないのである。 第三に、これが本質的であるが、日本の規制当局(PMDA、都道府県等)や認証機関の監査は、要素監査である。規制要件に対して、要件1つ1つに対して適合しているかどうかを監査することとなる。それに対して、FDA等の査察は、追跡調査である。たとえば、 苦情一覧表をチェック ある顧客苦情に関して、  いつ、苦情を受け取ったか  原因調査を行ったか 有害事象報告の要否を判断したか 顧客へどのように回答したか CAPAを実施したか 根本的な原因は何であったか 手順書(またはその他関連資料)の何を変更したか 変更後の手順書に関して、教育訓練をいつ、誰に実施したか といった具合である。これらの質問に的確に速やかに回答するためには情報の整理と連携は必要不可欠である。 読者諸氏も国際規格の真の意図をよく理解し、顧客(患者、医療従事者等)のために品質を向上させ、品質保証を十分に行われることを期待したい。 ]]>

バリデーションとは

品質管理の国際標準であるISO-9000において、バリデーションの定義は以下の通りである。 バリデーションとは、特定の意図した用途またはアプリケーションに関する要求が満たされていることを、客観的な証拠の提示により確認することである。 しかしながら、IT業界では、バリデーションの定義が異なり、ソフトウェアのテストのことを指している。製薬業界でもそう信じている人が多いと思われる。 ソフトウェアをテストして、バグをつぶしたとしても、それだけではバリデーションしたことにはならないので、注意が必要である。製薬業界(特にFDA)では、バリデーションとは、ユーザの要件に当該システムを完全に適合させるということである。 すなわち、UATにおいて、ユーザがシステムを新業務プロセスに沿って試用し、当該プロセスが問題なく遂行できることを確認することが最重要となるのである。 品質の良いソフトウェアとは 品質の良いシステム(ソフトウェア)とは、当該コンピュータ化システムが、ユーザの要件を完全に満たすものである。不具合(バグ)がないことのみではない。 ]]>

シニアマネジメントはGMPの責任を負うか

2016年12月13日、デンマーク当局(DKMA)による査察(内部告発による)で、Europharmaという会社の重大なGMPコンプライアンス違反が露見した。再包装された医薬品の有効期限を改ざんしていたのである。当局は同社に対し、製品の製造および輸入の禁止を命じた。また、当局は「CEOの交替」を要求した。会社の不正はトップの責任だという当局の考えの表れが強く出ているケースである。 このデンマークの事例が示すように、過去にEUの当局は、品質の低下に責任を持つために、有資格者(Qualified Persons:QPs)に焦点を当ててきた、しかし、多くの企業では、QPはシニアよりもむしろ中間管理職が務めている。2008年のICH Q10 「医薬品品質システム」(PQS)ガイドラインにより、上級管理職が最終的に効果的な医薬品品質システムを確保する責任を負うという新しい考え方が支持された。これは後にEU-GMPガイドラインの更新に反映されている。EU GMP Annex 16 「QPの承認およびバッチリリース」には、医薬品のライフサイクル、安全性、品質および有効性に対する最終的な責任は、マーケティング認可保有者(MAH)にあると記載されている。 (注)QPはEU圏の規制であるため、PIC/S GMP Annex 16は存在せず欠番である。 しかし、QPは、マーケティング認証(MA)の要件およびGMPの要件に従って、認証が行われる加盟国における有効な法律に従って、個々のバッチが製造され、チェックされていることを保証する責任がある。 デンマークの当局(DKMA)は、この上級管理責任を面白いやり方で強化する行動をとった、つまりCEOを引責辞任させたのである。 今まではQPに責任を着せがちだったが、PQS(Pharmaceutical Quality System)の最終責任はシニアマネジメントにあるということである。 ]]>

ウェブセミナー 法、省令関連

医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令を研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年3月27日 厚生省令第28号) 最終改正年月日:平成一八年三月三一日厚生労働省令第七二号薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条第三項(同条第六項、同法第十九条の二第四項及び第二十三条において準用する場合を含む。)、第十四条の四第四項並びに第十四条の五第四項(これらの規定を同法第十九条の四及び第二十三条において準用する場合を含む。)、第八十条の二第一項、第四項及び第五項並びに第八十二条の規定に基づき、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令を次のように定める。 第一章 総則 (趣旨)第一条この省令は、薬事法(以下「法」という。)第十四条第三項(同条第九項及び法第十九条の二第五項において準用する場合を含む。以下同じ。) 並びに法第十四条の四第四項及び第十四条の六第四項(これらの規定を法第十九条の四において準用する場合を含む。以下同じ。) に規定する厚生労働大臣の定める基準のうち医薬品の臨床試験の実施に係るもの並びに第八十条の二第一項、第四項及び第五項に規定する厚生労働省令で定める基準を定めるものとする。 (定義)第二条この省令において「製造販売後臨床試験」とは、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(平成十六年厚生労働省令第百七十一号)第二条第四項に規定する製造販売後臨床試験をいう。 2 この省令において「実施医療機関」とは、治験又は製造販売後臨床試験を行う医療機関をいう。 3 この省令において「治験責任医師」とは、実施医療機関において治験に係る業務を統括する医師又は歯科医師をいう。 4 この省令において「製造販売後臨床試験責任医師」とは、実施医療機関において製造販売後臨床試験に係る業務を統括する医師又は歯科医師をいう。 5 この省令において「被験薬」とは、治験の対象とされる薬物又は製造販売後臨床試験の対象とされる医薬品をいう。 6 この省令において「対照薬」とは、治験又は製造販売後臨床試験において被験薬と比較する目的で用いられる医薬品又は薬物その他の物質をいう。 7 この省令において「治験薬」とは、被験薬及び対照薬(治験に係るものに限る。)をいう。 8 この省令において「製造販売後臨床試験薬」とは、被験薬及び対照薬(製造販売後臨床試験に係るものに限る。)をいう。 9 この省令において「被験者」とは、治験薬若しくは製造販売後臨床試験薬を投与される者又は当該者の対照とされる者をいう。 10 この省令において「原資料」とは、被験者に対する治験薬又は製造販売後臨床試験薬の投与及び診療により得られたデータその他の記録をいう。 11 この省令において「治験分担医師」とは、実施医療機関において、治験責任医師の指導の下に治験に係る業務を分担する医師又は歯科医師をいう。 12 この省令において「製造販売後臨床試験分担医師」とは、実施医療機関において、製造販売後臨床試験責任医師の指導の下に製造販売後臨床試験に係る業務を分担する医師又は歯科医師をいう。 13 この省令において「症例報告書」とは、原資料のデータ及びそれに対する治験責任医師若しくは治験分担医師又は製造販売後臨床試験責任医師若しくは製造販売後臨床試験分担医師の評価を被験者ごとに記載した文書をいう。 14 この省令において「治験協力者」とは、実施医療機関において、治験責任医師又は治験分担医師の指導の下にこれらの者の治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師その他の医療関係者をいう。 15 この省令において「製造販売後臨床試験協力者」とは、実施医療機関において、製造販売後臨床試験責任医師又は製造販売後臨床試験分担医師の指導の下にこれらの者の製造販売後臨床試験に係る業務に協力する薬剤師、看護師その他の医療関係者をいう。 16 この省令において「モニタリング」とは、治験又は製造販売後臨床試験が適正に行われることを確保するため、治験又は製造販売後臨床試験の進捗状況並びに治験又は製造販売後臨床試験がこの省令及び治験の計画書(以下「治験実施計画書」という。)又は製造販売後臨床試験の計画書(以下「製造販売後臨床試験実施計画書」という。)に従って行われているかどうかについて治験の依頼をした者(以下「治験依頼者」という。)若しくは製造販売後臨床試験の依頼をした者(以下「製造販売後臨床試験依頼者」という。)が実施医療機関に対して行う調査又は自ら治験を実施する者が実施医療機関に対して特定の者を指定して行わせる調査をいう。 17 この省令において「監査」とは、治験又は製造販売後臨床試験により収集された資料の信頼性を確保するため、治験又は製造販売後臨床試験がこの省令及び治験実施計画書又は製造販売後臨床試験実施計画書に従って行われたかどうかについて治験依頼者若しくは製造販売後臨床試験依頼者が行う調査、又は自ら治験を実施する者が特定の者を指定して行わせる調査をいう。 18 この省令において「有害事象」とは、治験薬又は製造販売後臨床試験薬を投与された被験者に生じたすべての疾病又はその徴候をいう。 19 この省令において「代諾者」とは、被験者の親権を行う者、配偶者、後見人その他これらに準じる者をいう。 20 この省令において「自ら治験を実施しようとする者」とは、その所属する実施医療機関において自ら治験を実施するために法第八十条の二第二項の規定に基づき治験の計画を届け出ようとする者であって、治験責任医師となるべき医師又は歯科医師をいう。 21 この省令において「自ら治験を実施する者」とは、その所属する実施医療機関において自ら治験を実施するために法第八十条の二第二項の規定に基づき治験の計画を届け出た治験責任医師をいう。 22 この省令において「治験薬提供者」とは、自ら治験を実施する者に対して治験薬を提供する者をいう。 (承認審査資料の基準)第三条法第十四条又は第十九条の二の承認を受けようとする者が行う医薬品の臨床試験の実施に係る法第十四条第三項に規定する資料の収集及び作成については、第二章第一節、第三章第一節及び第四章(第二十九条第一項第二号、第三十一条第四項、第三十二条第四項及び第七項、第三十三条第三項並びに第四十八条第三項を除く。)の規定の定めるところによる。 2 自ら治験を実施する者が行う医薬品の臨床試験の実施に係る法第十四条第三項に規定する資料の収集及び作成については、第二章第二節、第三章第二節及び第四章(第二十九条第一項第一号、第三十二条第六項及び第八項並びに第四十八条第二項を除く。)の規定の定めるところによる。 第二章 治験の準備に関する基準 第一節 治験の依頼をしようとする者による治験の準備に関する基準 (業務手順書等)第四条治験の依頼をしようとする者は、治験実施計画書の作成、実施医療機関及び治験責任医師の選定、治験薬の管理、副作用情報等の収集、記録の保存その他の治験の依頼及び管理に係る業務に関する手順書を作成しなければならない。 2 治験の依頼をしようとする者は、医師、歯科医師、薬剤師その他の治験の依頼及び管理に係る業務を行うことにつき必要な専門的知識を有する者を確保しなければならない。 (毒性試験等の実施)第五条治験の依頼をしようとする者は、被験薬の品質、毒性及び薬理作用に関する試験その他治験の依頼をするために必要な試験を終了していなければならない。 (医療機関等の選定)第六条治験の依頼をしようとする者は、第三十五条に掲げる要件を満たしている実施医療機関及び第四十二条に掲げる要件を満たしている治験責任医師を選定しなければならない。 (治験実施計画書)第七条治験の依頼をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した治験実施計画書を作成しなければならない。  一 治験の依頼をしようとする者の氏名(法人にあっては、その名称。以下この号及び次号、第十三条第二号及び第三号、第十五条の四第一項第二号、第三号及び第七号並びに第十六条第一項第二号において同じ。)及び住所(法人にあっては、その主たる事務所の所在地。以下この号及び次号、第十三条第二号及び第三号、第十五条、第十五条の四第一項第二号、第三号及び第七号、第十六条第一項第二号並びに第二十六条第二項において同じ。)(当該者が本邦内に住所を有しない場合にあっては、その氏名及び住所地の国名並びに第十五条に規定する治験国内管理人の氏名及び住所。第十三条第二号において同じ。)  二 治験に係る業務の一部を委託する場合にあっては、当該業務を受託した者(以下この章において「受託者」という。)の氏名、住所及び当該委託に係る業務の範囲  三 実施医療機関の名称及び所在地  四 治験責任医師となるべき者の氏名及び職名  五 治験の目的  六 被験薬の概要  七 治験の方法  八 被験者の選定に関する事項  九 原資料の閲覧に関する事項  十 記録(データを含む。)の保存に関する事項  十一 第十八条の規定により治験調整医師に委嘱した場合にあっては、その氏名及び職名  十二 第十八条の規定により治験調整委員会に委嘱した場合にあっては、これを構成する医師又は歯科医師の氏名及び職名  十三 第十九条に規定する効果安全性評価委員会を設置したときは、その旨 2 治験の依頼をしようとする者は、当該治験が被験者に対して治験薬の効果を有しないこと及び第五十条第一項の同意を得ることが困難な者を対象にすることが予測される場合には、その旨及び次に掲げる事項を治験実施計画書に記載しなければならない。  一 当該治験が第五十条第一項の同意を得ることが困難と予測される者を対象にしなければならないことの説明  二 当該治験において、予測される被験者への不利益が必要な最小限度のものであることの説明 3 治験の依頼をしようとする者は、当該治験が第五十条第一項及び第二項の同意を得ることが困難と予測される者を対象にしている場合には、その旨及び次に掲げる事項を治験実施計画書に記載しなければならない。  一 当該被験薬が、生命が危険な状態にある傷病者に対して、その生命の危険を回避するため緊急に使用される医薬品として、製造販売の承認を申請することを予定しているものであることの説明  二 現在における治療方法では被験者となるべき者に対して十分な効果が期待できないことの説明  三 被験薬の使用により被験者となるべき者の生命の危険が回避できる可能性が十分にあることの説明  四 第十九条に規定する効果安全性評価委員会が設置されている旨 4 第一項の規定により治験実施計画書を作成するときは、当該治験実施計画書の内容及びこれに従って治験を行うことについて、治験責任医師となるべき者の同意を得なければならない。 5 治験の依頼をしようとする者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、当該治験実施計画書を改訂しなければならない。この場合においては、前項の規定を準用する。 (治験薬概要書)第八条治験の依頼をしようとする者は、第五条に規定する試験により得られた資料並びに被験薬の品質、有効性及び安全性に関する情報に基づいて、次に掲げる事項を記載した治験薬概要書を作成しなければならない。  一 被験薬の化学名又は識別記号  二 品質、毒性、薬理作用その他の被験薬に関する事項  三 臨床試験が実施されている場合にあっては、その試験成績に関する事項 2 治験の依頼をしようとする者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、当該治験薬概要書を改訂しなければならない。 (説明文書の作成の依頼)第九条治験の依頼をしようとする者は、治験責任医師となるべき者に対して、第五十条第一項の規定により説明を行うために用いられる文書(以下「説明文書」という。)の作成を依頼しなければならない。 (実施医療機関の長への文書の事前提出)第十条治験の依頼をしようとする者は、あらかじめ、次に掲げる文書を実施医療機関の長に提出しなければならない。  一 治験実施計画書(第七条第五項の規定により改訂されたものを含む。)  二 治験薬概要書(第八条第二項の規定により改訂されたものを含む。)  三 症例報告書の見本  四 説明文書  五 治験責任医師及び治験分担医師(以下「治験責任医師等」という。)となるべき者の氏名を記載した文書  六 治験の費用の負担について説明した文書  七 被験者の健康被害の補償について説明した文書 2 治験の依頼をしようとする者は、前項の規定による文書の提出に代えて、第五項で定めるところにより、当該実施医療機関の長の承諾を得て、前項各号に掲げる文書に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次に掲げるもの(以下「電磁的方法」という。)により提出することができる。この場合において、当該治験の依頼をしようとする者は、当該文書を提出したものとみなす。  一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの     イ 治験の依頼をしようとする者の使用に係る電子計算機と実施医療機関の長の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法     ロ 治験の依頼をしようとする者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された前項各号に掲げる事項を電気通信回線を通じて実施医療機関の長の閲覧に供し、当該実施医療機関の長の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに同項各号に掲げる事項を記録する方法(電磁的方法による文書の提出を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合にあっては、治験の依頼をしようとする者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)     二 磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに前項各号に掲げる事項を記録したものを交付する方法 3 前項に掲げる方法は、実施医療機関の長がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものでなければならない。 4 第二項第一号の「電子情報処理組織」とは、治験の依頼をしようとする者の使用に係る電子計算機と、実施医療機関の長の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。 5 治験の依頼をしようとする者は、第二項の規定により第一項各号に掲げる文書を提出しようとするときは、あらかじめ、当該実施医療機関の長に対し、その用いる次に掲げる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。  一 第二項各号に規定する方法のうち治験の依頼をしようとする者が使用するもの  二 ファイルへの記録の方式 6 前項の規定による承諾を得た治験の依頼をしようとする者は、当該実施医療機関の長から書面又は電磁的方法により電磁的方法による通知を受けない旨の申出があったときは、当該実施医療機関の長に対し、第一項各号に掲げる文書の提出を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該実施医療機関の長が再び前項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。 (治験薬の事前交付の禁止)第十一条治験の依頼をしようとする者は、治験の契約が締結される前に、実施医療機関に対して治験薬を交付してはならない。 (業務の委託)第十二条治験の依頼をしようとする者は、治験の依頼及び管理に係る業務の一部を委託する場合には、次に掲げる事項を記載した文書により当該受託者との契約を締結しなければならない。  一 当該委託に係る業務の範囲  二 当該委託に係る業務の手順に関する事項  三 前号の手順に基づき当該委託に係る業務が適正かつ円滑に行われているかどうかを治験の依頼をしようとする者が確認することができる旨  四 当該受託者に対する指示に関する事項  五 前号の指示を行った場合において当該措置が講じられたかどうかを治験の依頼をしようとする者が確認することができる旨  六 当該受託者が治験の依頼をしようとする者に対して行う報告に関する事項  七 当該委託する業務に係る第十四条に規定する措置に関する事項  八 その他当該委託に係る業務について必要な事項 […]

electronic or paper depending on whether electronic or paper is right

electronic or paper depending on whether electronic or paper is right In the course of the author’s consultations, he often hears the following assertionsThe person in charge at our company fully scrutinizes the records and signs (stamps) them. Therefore, the paper is authentic (original).”This argument, however, is based on a sexist view.Regulatory inspections in the […]

MS-Excelによる 電子記録管理の問題点について

医薬品業界や医療機器業界では、MS-Excelによって記録を作成したり保存していることが多いのではないだろうか。 しかしながら、Excelによる記録の管理には、以下の問題点がある。 監査証跡がとれない セキュリティの問題(パスワードが入力できない) 入力データの自動チェックができない 印刷時に、欠け、はみ出しが起きる 有効桁数の問題 バージョン間の互換性の問題(Excel97以前のデータの非互換性) マクロウィルス感染の危険性 電子署名が使用できない 作成や修正の都度、必ず手作業を伴う 目次、インデックス等の自動生成ができない 特に1.と2.においてFDAの21 CFR Part 11や厚労省のER/ES指針の遵守において問題となる。またそれ以外においては、データインテグリティの問題がある。つまり故意ではないデータのミスが生じる可能性がある。 一般に電子で記録を作成し、紙媒体に印刷した上で手書き署名を付した場合(ハイブリッド運用)、データの信頼性に欠くことになる。ハイブリッド運用では、後になってから電子記録を改ざんし、再印刷した上でバックデートで署名ができるためである。 FDAの査察官は、データ不正の手口とその発見方法を教育されている。例えば、手書き署名の日付よりもExcelのファイル日付が新しい場合、何が疑われるだろうか。(図参照) この図の場合、2016年8月22日に記録を修正(改ざん)し、2015年3月31日付で署名(バックデート)したことが疑われる。 Excelにより記録を作成する場合には、以下を保証する必要がある。 Excelのファイル日付と紙媒体上の署名日付が一致していること Excelの内容と紙媒体の内容が一致していること 上記のいずれかを満たさない場合、改ざんが疑われ、また改ざんをしていない証拠を提示することが困難となる。 そこでExcelを使用しデータを入力した場合の留意点は以下のとおりである。 入力後、すみやかに印刷し、当日の日付で署名すること。(pdf化し、電子署名を付しても構わない。) 入力したExcelは、削除しないこと。 入力したExcelは、タイムスタンプ(ファイル日付)を変更しないこと。 入力したExcelは、セキュリティで保護された環境で管理すること。(CD-R等に焼くのがベスト) ]]>

品質リスクマネジメントについて

GMP施行通知の施行(2013年8月30日)から5年が経過し、2019年度にはGMP省令が改正されることになった。今回の改正は大改正となる。いわゆるグローバリゼーション化(規制の国際整合)が目的であろう。 その中において、品質リスクマネジメント(ICH-Q9)への適格な対応も求められることとなる。これまでICH-Q9 「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」は課長通知として発出されてきた。 しかし、改正GMP省令においては、適切に品質リスクマネジメントが活用されるよう、ICHQ9の原則に則して手順書の作成と実施が求められる。 しかしである。日本の製薬企業で品質リスクマネジメントについて正しく理解している企業はどれくらいあるだろうか。 PMDAのホームページには、以下のような概念図が示されている。 品質リスクマネジメントがあたかもPDCAによる改善プロセスの一部のように解説されている。これは明らかに間違いである。品質リスクマネジメントプロセスもPDCAサイクルを持っており、品質管理・品質保証と並行して実施されなければならない。 また品質リスクマネジメントの手順書サンプルも公開されている。これも間違いである。そもそも、品質リスクマネジメントは、特定の部署が特定の手順書を参照して活動するものではないのである。すべてのプロセスにおいて、現存する手順書にリスクマネジメントの概念を入れ込まなければならない。つまり品質リスクマネジメントに特化した部署を設ける訳ではないし、品質リスクマネジメントに特化したSOPを作成するのでもないのである。 ちなみに上記の図において、品質マネジメントレビュは(ISO-9001では)ActionではなくPlanである。ActionにはCAPA等の改善プロセスが位置しなければならない。 FDAは2006年9月に、国際規格である品質マネジメント規格のISO-9001を参考にした「医薬品cGMPにおける品質システムからのアプローチ(Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations)と題するガイダンスを発行している。グローバリゼーションが避けて通れないなか、日本の規制要件においても、国際規格、FDA、PIC/S等の真の要求事項の理解と適切なプロセス構築が望まれる。 データインテグリティに関する規程・手順書 イーコンプレスでは「データインテグリティ規程・手順書」の販売を開始いたしました。 データインテグリティ規程・手順書  55,000円(税込) 【目次】データインテグリティ規程 1. 目的2. 適用範囲3. 用語の定義4. 背景5. データインテグリティの原則6. データガバナンス6.1 データインテグリティのためのステップ6.1.1 教育およびコミュニケーション6.1.2 リスクの発見および低減6.1.3 技術およびITシステム6.1.4 データガバナンス7. 手順書等8. 参考9. 付則 データインテグリティ手順書 1. 目的 2. 適用範囲 3. 用語の定義 4. 役割と責任 5. 啓発活動 6. 教育訓練 7. 関連する手順書の改訂  7.1 リスクマネジメント    7.1.1 リスクの検討    7.1.2 リスク低減策の検討    7.1.3 リスク低減策の実施  7.2 データライフサイクル    7.2.1 データの作成    7.2.2 データの処理    7.2.3 データのレビュ・報告・使用    7.2.4 データの保管・維持 8. コンピュータシステムの見直し、導入 9. 監視・測定 10. 監視・測定 11. 記録の保管 12. 参考 13. 付則  ご購入は こちら ]]>

品質リスクについて

ウェブセミナー 「GMP施行通知」改定のインパクト 「GMP施行通知」改定のインパクトを研究するページです。 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 ICH-Q9において、リスクは「危害の発生の確率とそれが発生したときの重大性の組合せ」との定義されている。これは国際規格であるISOとIECの共通規格としてGuide 51で定義されているものをそのまま採用している。われわれは普段の生活の中で常にこの掛け算を実施している。例えば出張で飛行機を利用しようとしよう。誰もが飛行機が墜落をすれば破局的である(重大性=大)ということが理解している。しかしながらおそらく飛行機が墜落することがない(発生確率=極少)と考えている。このように我々は常に頭の中で重大性と発生確率をかけてリスクを判断している。医薬品におけるリスクにおいて重要な事は、リスクとは必ず患者や消費者への健康被害を対象としなければならない。製品品質に何らかの結果が生じた医薬品が患者に服薬された際にどのような健康被害生じるかを管理する必要がある。また大事なことは、リスクは決して試すことができないということである。例えば製品に異物を混入させてどの様な健康被害が生じるかを実験するといったことが許されないのである。理解しておかなければならないことは、構造設備は必ず故障するのである。また人は必ず失敗するのである。品質リスクマネジメントにおいて重要なことは、構造設備が故障する確率を下げることである。 また万が一故障した場合にそれを発見する確率を高めることである。同様に、ヒューマンエラーを起こす確率を下げること及び発見確率を高めなければならない。筆者は、長年にわたって製薬企業や医療機器企業においてリスクマネジメントに関するコンサルテーションを実施してきた経験を持つ。多くの企業ではリスクマネジメントの本質を理解していないことが多い。 PMDAのホームページに「医薬品製造所における品質マネジメントシステムの活用及び医薬品品質システムの取り組みに関する研究」における成果物が公開されている。これらは『本研究は、医薬品品質システム及びその活動の実現のための重要な要素である品質リスクマネジメントの考え方を国内の製造所に広く導入する仕組みを提案することを目的とした』ものであるという。この中で、品質リスクマネジメントの活用を促進させるためのツールとしてリスクアセスメントシートがある。その内容をみて筆者は驚愕した。 このリスクアセスメントシートには、数多くのリスク事例が掲載されている。しかしである。多くがリスクマネジメントにとって不適切であると言わざるを得ない。例えば「ユーザー要求仕様書(URS)を作成していない」や、「 DQを実施していない」などが例として挙げられている。 これらはいわば不作為である。ユーザー要求仕様書を作成することやDQを実施することは必須である。それらが実施されていないことをリスクとすることは極めて不適切である。規制要件やSOPを遵守し作業を実施することは当然のことである。 またこのリスクアセスメントシートには、重大性、発生確率、検出確率を記載する欄がない。本来リスクアセスメントシートには、当該の構造設備においてどのような故障や操作上のミスが発生するかを列挙なければならない。そのような故障やミスが発生した場合に製品の品質にどのような影響が生じるかを推定する。またその結果、品質に欠陥をもった医薬品が出荷され、患者が服薬した際にどのような健康被害が生じるのかを評価しなければならない。品質リスクマネジメントの本質を理解し、適切な実施例を示すことが望まれる。 データインテグリティに関する規程・手順書 イーコンプレスでは「データインテグリティ規程・手順書」の販売を開始いたしました。 データインテグリティ規程・手順書  55,000円(税込) 【目次】 目次 データインテグリティ規程 1. 目的2. 適用範囲3. 用語の定義4. 背景5. データインテグリティの原則6. データガバナンス6.1 データインテグリティのためのステップ6.1.1 教育およびコミュニケーション6.1.2 リスクの発見および低減6.1.3 技術およびITシステム6.1.4 データガバナンス7. 手順書等8. 参考9. 付則 データインテグリティ手順書 1. 目的 2. 適用範囲 3. 用語の定義 4. 役割と責任 5. 啓発活動 6. 教育訓練 7. 関連する手順書の改訂  7.1 リスクマネジメント    7.1.1 リスクの検討    7.1.2 リスク低減策の検討    7.1.3 リスク低減策の実施  7.2 データライフサイクル    7.2.1 データの作成    7.2.2 データの処理    7.2.3 データのレビュ・報告・使用    7.2.4 データの保管・維持 8. コンピュータシステムの見直し、導入 9. 監視・測定 10. 監視・測定 11. 記録の保管 12. 参考 13. 付則  ご購入は こちら ]]>

品質マニュアルとは

品質マニュアルについて FDAは1978年以来、cGMPを品質マネジメントの国際規格であるISO-9001に整合させてきた。FDAが2006年9月に発行した「医薬品cGMPにおける品質システムからのアプローチ(Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations)は、ISO-9001が標準とする品質システム(QS:品質管理システム(QMS)と同義)をもとにcGMPとの整合や、医薬品製造における品質システムの在り方を解説している。これまで医薬品業界では、QMS(品質管理システム)を構築してこなかった。ICH-Q10はまさしくISO-9001の概念に則って、医薬品企業全体における品質システムの構築を要求している。 一般にQMS文書体系は、以下のような構造となる。一番上位文書は品質マニュアルである。 品質マニュアルでは、GMPだけではなく、探索、非臨床試験(GLP他)、臨床試験(GCP)、製造(GMP)、配送(GDP)を含めた医薬品企業全体の品質保証に関して網羅していなければならない。 通常、品質マニュアルは経営者が作成する。経営者は規制要件を遵守し、各プロセスにおける品質管理、品質保証の仕組みについて品質マニュアルにその方針を記載するのである。なぜ同じ規制要件を参照していながら、各社によって品質マニュアルが異なるかというと、製造販売している製品が異なるためである。製品が異なればリスクが異なる。品質マニュアルは当該医薬品のリスクに応じて適切なレベルで作成しなければならない。いたずらに厳しいものにしてしうとコンプライアンスコストを過剰にかけてしまい、コストは薬価に乗り、結果的に患者負担となってしまうためである。またプロセスが異なってもリスクが異なる。医薬品企業においては、製造のみを実施している場合がある(製造業)。またさらに外資系企業の場合は、二次包装のみ実施していることもある。総合的に研究開発から製造・配送まで実施している企業も多い。品質マニュアルはそれらプロセスを網羅し、リスクに応じた品質管理・品質保証の仕組み(品質システム)が記載されていなければならない。 品質マニュアルに従って、規程、手順書、様式等が作成される。このような文書体系のことをQMSと呼ぶ。多くの場合、これまで医薬品業界では品質マニュアルはなく、手順書と様式のみで活動をしてきた。これでは、適正な品質管理・品質保証が実施できないのである。 PMDAのホームページには、品質マニュアルの参考例が掲載されている。この例では、医薬品製造(GMP)のみが対象とされており、また医薬品製造(GMP)全体を網羅していない。これでは品質システムを構築しようがない。品質マニュアルは、品質システム構築の拠所とならなければならないのである。 ]]>