【医療機器】ソフトウェア規制
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ISO 13485:2016において、記録は文書の一種であると明言された。しかしながら、文書(手順書等)の管理方法と記録(計画書、記録書、報告書等)の管理方法では大きく異なる。 文書は多くの場合、継続的改善を通じて常に改訂されなければならない。またその際に版管理を十分に行い、履歴を残しておくことが必要である。また最新版の配布と必要に応じて教育訓練(例:制定教育)の実施が求められる。 一方において、記録は様相が異なる。記録のうち、計画書や仕様書は更新文書である。時間と共に適切に改訂し、版管理を実施する必要がある。ところが記録書の場合、改訂すると改ざんになってしまう。許されるのは誤記訂正程度であることに留意されたい。 ]]>
厚生労働省やPMDAの講演を聴いていると「承認事項遵守」といった発表が頻繁にある。一度不正を行った企業は、これまで長期にわたってその企業名を講演会などで引用され、いわば人身御供のように取り扱われている。 承認事項を遵守することは当然のことである。不正はけっしてあってはならない。 しかしである。世の中の(特に日本の)製薬企業でそれほどまでに不正が日常茶飯事に行われているのであろうか。また承認事項さえ守っていれば、はたして品質の良い医薬品等が製造できるのであろうか。そんなことはあるはずがない。改正GMP省令の案の発出は予定よりも1年半も遅れている。最近では話題にも上がらないようになってきたようにも思える。日本のGMP省令はPIC/S GMPなどグローバルの規制に比べて15年も遅れている。これでは国際標準に到底追いつけない。特定の企業の不正を執拗に糾弾するよりも、全体の品質保証レベルを上げる方が急務ではないだろうか。 ]]>
PIC/S GMPの第9章はSelf Inspectionである。本邦の規制要件等(GMP省令、GVP省令等)ではSelf Inspectionを「自己点検」と訳している。しかし、筆者はこの訳は適切ではないと感じている。当局による査察であるAuthority Inspectionに対して Self Inspection は企業が自らを査察することである。つまり「自己点検」ではなく「自己査察」、すなわち「内部監査」のことである。Self Inspectionは、内部監査の他、外部監査、定期レビュ、マネージメントレビュなどからなる。 当局査察は数年おきで、しかも数日間実施されるのみである。そこで指摘された事項のみを改善したとしても、患者の安全性や製品の品質は担保できない。大事なことは、当局査察がなくとも、自らが自らを“査察”し、“指摘”し、“改善”することである。Self Inspectionの重要性を再認識されたい。 監査員の力量筆者は製薬企業にかかわらず、医療機器企業や医療機関、諸外国の原薬工場等の査察・監査に対するコンサルティングをするが、監査員の能力が非常に低いことに驚く。例えば、監査員に製造経験がなく、製造に関するリスクの指摘が全くできないケースがあった。監査報告書を見ていると教育記録についてのみ指摘していた。これでは製造プロセスの品質向上やリスクの低減は望めない。ひどいケースでは、転記ミスやエラーの指摘ばかり行っている監査があるが、これでは本末転倒である。文書の書き方を修正したところで品質保証にはならない。これらの指摘は、患者の生命・健康の担保にはまったく関係のないことであり、そのような指摘を出すような企業では規制当局は安心できない。したがって、監査員は当該プロセスのプロでなければならない。つまり、製造を監査する監査員は製造の経験者でなければならない。また品質試験を監査する監査員は品質試験の経験者でなければならない。その上で最新の規制要件等の要求事項を適切に理解していなければならない。 洞察力を持って指摘し、根本的原因を発見し、それらをつぶして再発を防止する。またたとえ問題が起きていなくとも、品質システムや組織などに潜むリスクを発見し指摘しなければならない。監査員にはこのように非常に多くの能力が必要である。 監査員に適した人材最近でこそ日本の企業も色々な会社から異動・転職してくる方が増えたが、生え抜きの人間には監査は困難である。なぜならば自らの経験したやり方しか知らないからである。つまり、自社のプロセスを是としているためである。 規制当局の査察官、筆者のようなコンサルタントは多くの企業のプロセスを見てきている。そのため、他社とのベンチマークにより、問題点やリスクの発見が比較的容易である。他社(Best Practice)と比べ足りていない箇所があればそれがリスクであると判断できる。また転職者には、前職でのプロセスと比較することが出来る。適切な監査の実施のためには、こういった比較対象の有無や、さらに洞察力も必要となるため、生え抜きの人には難しいのである。また、監査員はきちんと指摘して改善をさせるという能力も必要となる。 そのためには監査員は、他人に批判されることを恐れず、上下関係に問わず皆に平等でなければならない。監査は常に独立性と公平性が求められるのである。 GMP省令における自己点検GMP省令の第18条が自己点検である。下記の要求がある。 製造業者等は、あらかじめ指定した者に、手順書等に基づき、次に掲げる業務を行わせなければならない。 一 製造・品質関連業務について定期的に自己点検を行うこと。二 自己点検の結果を品質保証に係る業務を担当する組織および製造管理者に対して文書により報告すること。三 自己点検の結果の記録を作成し、これを保管すること。2 製造業者等は、前項第1号の自己点検の結果に基づき、製造・品質関連業務に関し改善が必要な場合においては、所要の措置をとるとともに、当該措置の記録を作成し、これを保管すること。
現在、新型コロナウィルスによるパンデミックが発生し、終息の目途が立たない。このパンデミックによって事業縮小を余儀なくされたり、倒産に至った企業も存在する。また従業員の雇用が保てず、また新規採用の取り消しも発生している。ところで読者諸氏の企業では業務継続計画書(BCP:Business Continuity Plan)を作成しているだろうか。実はBCPには2種類ある。1つは「激甚災害編」であり2つ目は「パンデミック編」である。激甚災害とは、地震や津波などである。実は、「激甚災害編」と「パンデミック編」では対応方法が真逆であることをご存じだろうか。 激甚災害編地震の特徴としては 局所的である 予告なく発生する(予測不可能) インフラ(携帯電話、メール)などがダウンする などがあげられる。地震が発生した際に必要なことは、如何に早く人を集めるかである。あらかじめBCPで指定して置いた場所(郊外のオフィス等)に地震発生72時間後に集まり、災害復旧本部を立ち上げるのである。集合場所には、パソコン、ノート、筆記類、食料・飲料水、寝具などをあらかじめ備えておく。またあらかじめ代替サイトを決めておき、製造などを継続させる。さらに重要な医薬品等は90日程度の備蓄を持っておくことが必要である。 復旧の手順は、おおよそ以下の通りである。1.インフラ(メール)2.勘定系・営業系システム3.製造系システム4.開発系システム パンデミック編パンデミックの特徴としては あらかじめ予測できる(例:日本で1症例目が発生すると2~3ヶ月後にピークを迎えるなど) 全国(世界中)に蔓延する 終息がある程度予測できる などがあげられる。パンデミックが発生しても休業できない業種は数多く存在する。例えば、警察・消防・医療機関・役所などである。パンデミックの発生が予測される際に必要なことは、如何に人を集めないかである。例えば、部長以上はテレワークとし、従業員の半数を自宅に待機させ、重要な製品に限って残りの従業員で製造を継続する。その場合、本人または家族が罹患した際に自宅待機に切り替え、代替の要員を出社させるのである。つまり、常に50%のマンパワーで操業することが重要である。また、オフィスワーカーの場合はテレワークを実施する必要がある。ネット会議などに不慣れな人や、忌み嫌う(食わず嫌いな)人も存在する。そのため、例えば部長職以上は年に1回テレワークの予行演習を実施しておかなければならない。自宅から適切に業務の指示が行え、決済・承認などを実施しなければならないからである。 今回のパンデミックを機にテレワークを採用する企業も増えた。今年からは5Gのサービスも開始される。今後はテレワークがより進むのではないかと感じている。 ]]>
改正GMP省令では、経営者が品質システムを構築し、品質方針および品質目標を文書化することが要求される。これは品質マネジメント規格であるISO-9001の要求事項と同じである。しかしである。ISO-9001の認証を受けた企業でも起きがちなことは、品質目標と経営目標が整合していないということである。つまり、品質目標を達成したとしても経営目標が達成できないのである。多くの場合、経営者は品質方針や品質目標において、顧客の耳障りの良いことを書く傾向にある。一方において、経営方針や経営目標では、売り上げ向上、シェア拡大、グローバル展開など、利益に関わることがもっぱらである。つまり、経営方針と品質方針では、本音と建前が分かれている状態である。これはよろしくない。ISO-9001などが求めていることは、品質が向上することによって失敗コストなどが減少し、顧客満足度を上げ、その結果として利益が向上するということである。つまり品質目標を達成したならば、経営目標が達成できなければならない。ISO-9001では、経営目標と品質目標の整合性を求めている。 医薬品品質システム(PQS)を構築するにあたり、経営者は品質システムに品質方針を織り込み(文書化し)、各部門の長に品質目標を立てさせることになる。各社が一体どのような品質方針・品質目標を掲げるか関心のあるところである。 【2021年度改正QMS省令対応】QMSひな形一式 ]]>
改正GMP省令では、医薬品製造所は医薬品品質システム(PQS:Pharmaceutical Quality System)を構築することが求められる。しかしながら、本来品質システムは製造所単位で構築すべきものではない。品質システムは製造販売業が製造業を含めて構築しなければならない。日本の場合、製造販売業者と製造業者を区別しているところに問題があると思われる。 医療機器規制は、2014年のQMS省令改正により、製造販売業者が製造業者を監視監督することとなった。これに伴い、医療機器の製造業者は業許可ではなく、登録制となった。QMS省令(もともとは医療機器GMP)は、製造販売業者にも適用されることとなった。このような制度は医薬品にはない。 製造販売業者と製造業者が同一法人である場合、製造業側に経営者が存在しないケースがある。これでは品質マニュアルの構築、品質方針の立案、品質目標の設定等、マネジメントレビュの開催などにも支障をきたす。例えば、製造所ごとに品質システムを構築した場合、その長が工場長となり、取締役ではないこともあり得る。果たして工場長が経営方針を立て、品質方針を設定できるだろうか。またマネジメントレビュ(経営者による見直し)を実施する権限が与えられっているだろうか。 苦情の収集は製造販売業者がGQP省令に則って実施することになる。回収においても同様である。製造業者は苦情に関しては製販業者から伝えられた「品質情報」の一環として対応するのみである。一方で、FDAは21 CFR Part 211「§211.198 Complaint files(苦情ファイル)」において苦情の取扱いに関して詳細な規則を定めている。これは日本と米国における規制要件の中で立て付けがかなり異なり、手順を作成する上で注意しなければならない点である。ICH Q10「医薬品品質システムに関するガイドライン」においてはGMPの適用範囲以外に医薬品開発や技術移転を含んでおり、さらにGQP・GDPにも及んでいる。 本来、品質システムは製造販売業者が販売業者を包含し、医薬品開発・技術移転(CMC)・製造・流通(GDP)・市場品質監視(GQP)の全体をカバーすることが望ましい。 ]]>
イーコンプライアンス CEマーキング制度情報 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 CEマークは、医療機器、電気製品、通信機器、産業機械など、製品分野ごとに21種類の指令が定められている。それぞれの分野に該当する指令の要求事項を満たした製品がCEマークを貼付でき、EU域内での販売が認められる。医療機器への指令は「欧州埋込型能動医用機器指令︓ AIMD(90/385/EEC)」「欧州医療機器指令︓ MDD(93/42/EEC)」「欧州体外診断医療機器指令︓ IVDD (98/79/EC)」が該当する。現行の指令でも、欧州で医療機器を販売するためには、当局から認可を受けた認証機関による審査を通過することにより、CEマークを自己責任として貼付することが必要である。CEマークなしでは欧州で医療機器を販売することはできない。医療機器に関するCEマークのための審査が現行指令から新規制に変更となる。MDR(欧州医療機器規制)はCEマーク表示を得るための新しい規制である。MDRに準拠できなければCEマークを取得できず、欧州市場で医療機器を販売できなくなる。CEマークは、医療機器のEU健康安全環境保護指令・規制順守を示す重要な指標である。CEマークは、EU加盟国に加え、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、トルコにて適応されており、アジア太平洋領域の主要国でもCEマークを適用している。 ]]>
欧州委員会(European Commission, EC)が2019年7月に「Guidance on Article 15 of the Medical Device Regulation (MDR) and in vitro Diagnostic Device Regulation (IVDR) regarding
イーコンプライアンス MDR(Medical Device Regulation)情報 *万が一文中に解釈の間違い等がありましても、当社では責任をとりかねます。 本文書の改訂は予告なく行われることがあります。 2017年5月5日に、医療機器指令 Medical Device Directive (93/42/EEC)が改正され 「欧州医療機器規則 (MDR:Medical Device Regulation)」 が公示された。20日後の2017年5月25日より施行され、2020年5月25日までの3年間が移行措置期間とされている。Manufacturer は、この移行期間中に技術文書を改訂し、新しい要求事項に対応しなければならない。欧州では約20年ぶりの大改編である。この改正内容は多岐に渡り、また上市済の製品の対策も必要となるため、強制化に間に合うように計画的に対策を進める必要がある。 MDRは、従来のMDDと能動埋め込み型医療機器指令 Active Implantable Medical Device